(※写真はイメージです/PIXTA)

せっかく時間とお金をかけて若手社員の採用に成功しても、新卒で入社した社員は3年以内に約3割が離職してしまいます。早期離職を防ぐために何をすべきでしょうか。※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

「重要成功要因」の把握が事業成功の近道

事業分析は、3C分析の一要素で、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の自社に相当しますが、自社・自事業の相対的な競争力を把握し、事業としての重要成功要因を抽出するために行います。

 

自社分析は、以下のような観点から行います。

 

(1)事業別の成長性・収益性

事業毎の成長性や収益性を分析します。この際、市場の成長性や収益性との対比や、競合他社の成長性や収益性と相対比較する必要があります。

 

(2)収益構造分析

(1)の結果から、相対的に収益性が高いまたは低い原因を売上高を100%にして、その構成比から分析します。原価は、原材料費、労務費、経費の区分で見ていきます。

 

(3)市場分析

市場の成長性や、製品ライフサイクル、市場内セグメント(市場の中をより細かく分けたもの)、セグメント別成長性、収益性、参入セグメントと非参入セグメント、自社のマーケットシェア等、有望な市場で自社が優位なポジションを取れているかどうかという視点から分析を行います。

 

(4)顧客分析

顧客の属性や特徴、顧客ニーズの変化、顧客セグメントと対象顧客、非対象顧客、ロイヤルカスタマー率等について、良い顧客を捉まえられているかどうかという観点から分析を行います。

 

(5)製品・サービス分析

製品・サービス群別の売上高、収益性、成長性、マーケットシェア、顧客の満足度、今後成長が見込まれる製品・サービス群、自社製品の独自性等について、製品・サービスに競争力があるかないかという観点から分析していきます。

 

(6)営業・販売体制分析

営業・販売人員とマーケットカバー率、営業人員当たりの生産性(一人当たり売上高等)、営業・販売効率(1件受注するための時間やコスト)、営業人員の熟練度、営業所の体制、コンペ勝率等について、営業・販売体制に競争力があるかないかという観点から分析します。

 

7)生産・供給体制分析

納入リードタイム、生産リードタイムや在庫日数、供給可能エリア、物流コスト、納期遵守率等生産・供給体制に問題がないかどうかという観点から分析します。

 

(8)研究・開発体制分析

新商品・サービス発売件数、同売上高貢献率、ヒット率、特許取得件数、商品力の競合他社比較、研究・開発人員体制等研究・開発力があるかないかという観点から分析します。

 

(9)ビジネスモデル分析

事業別に見た際にも事業によってはビジネスモデルを変えた方がいいようなケースもありますから、事業毎にビジネスモデルのあり方を見直すようにするといいでしょう。例えば、A事業はモノ売りの売切りのビジネスモデルでやってきたが、サービスを付加したモノ+サービスのビジネスモデルに転換するというような考え方です。

 

ポイント

事業分析は様々な観点から重要成功要因を抽出する

 

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事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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