妻との間には2人の子に恵まれたものの、不仲のため別居。しかし、離婚に応じてもらえず、生活を共にするパートナーとは、事実婚状態のまま子をもうけ、40年が経過しました。1年前に戸籍上の妻が亡くなりましたが、不安なのは自分亡きあとの相続のことです。いまのパートナーの生活を守りつつ、円満に相続を行うことは可能なのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。
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不仲なのに離婚してくれない妻
今回の相談者は80代男性の山本さんです。山本さんは亡くなった妻とのあいだに2人の子ども、そして事実婚のパートナーである幸恵さんとのあいだにも2人の子どもがいます。
山本さんは亡き妻と不仲で、長年別居するも離婚に応じてもらえず、子どもからも離婚を反対されていました。そのため幸恵さんとは、かれこれ40年以上事実婚状態でした。しかし昨年、先妻が亡くなりました。
山本さんは、妻が亡くなったあとの自分の相続人は、先妻との間の子ども2人、事実婚の幸恵さん、幸恵さんとの間の子ども2人(認知している)の、合計5人だと認識していました。
ところが、事実婚状態のパートナーの場合、入籍していなければ正式な配偶者として認められないため、このままでは山本さんの相続人は実子の4人のみとなってしまいます。
山本さんは、自分亡きあとも幸恵さんの暮らしを守りつつ、子どもたちの間でできる限り波風立てずに相続を行う方法はないかと、筆者の事務所へ相談に訪れました。
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株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。
著書65冊累計58万部、TV・ラジオ出演127回、新聞・雑誌掲載810回、セミナー登壇578回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2021年版 (別冊ESSE) 』(扶桑社)など多数。
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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