「おひとりさまの在宅死」は「孤独死」とは違うものと知ろう。【在宅医が見た医療の現場】 (※画像はイメージです/PIXTA)

終末医療の選択は、これまでの人生の経験と価値観の結果、選ばれたものです。ともに介護し、ケアの日常を見ている当事者のご家族の中でも意見の相違が生まれます。※本連載は中村明澄著『「在宅死」という選択』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集した原稿です。

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「畳の上で死にたい」おひとりさまの大往生

■「ぜったい畳の上で死ぬ」が叶った一人暮らしのおじいちゃん

完全なるおひとりさまで在宅死を遂げたのは、93歳のK茂おじいちゃん。

 

奥さまがずいぶん前に先立たれて、お子さんもいないので、ずっとひとり暮らしでやってきた方でした。ご兄弟も旅立たれ、血縁の方はいらっしゃいませんでした。

 

私が訪問診療に入ったときも、はじめから強い意思がおありで、開口一番こう言いました。

 

「オレは絶対に病院とか施設とかに行く気はないから、ここでなんとかしてくれな。畳の上で死にたいんだ」

 

K茂おじいちゃんは、それまでにも入退院を繰り返していて、医師や看護師が何度も様子を見に来ては「あれしろこれしろ」と言われるのに、もううんざり。だから自宅でひとりでのんびり死にたいんだという、強い希望がありました。

 

ですから、人の出入りをできる限り減らしたいと、介護保険サービスは最小限を希望されていました。経過中に発熱があったときも、おそらく肺炎であったこともありましたが、「自宅で治療ができる範囲で治らなければ仕方ない」と、病院受診は断固拒否されました(そのときは幸い抗生物質の点滴で改善されました)。

 

だんだん動けなくなってきて、おむつになっても、「最近のおむつは性能がいいだろ? だから大丈夫だよ」と、私の訪問診療のほかには、1日1回の訪問介護と週1回の訪問看護のみ。お伺いすると決まって笑顔で迎えてくださいますが、「ひとりは気楽でいいよ」と常々おっしゃっていました。寝たきりになり、床ずれを心配して介護ベッドをお勧めするも「布団がいちばん」と、もちろんお断りでした。

 

それから2週間ほどして、K茂おじいちゃんは、約束どおり畳の上で眠るように亡くなりました。おひとりさまの大往生をしっかりお見送りできました。

 

「ここでなんとかして。畳の上で死にたい」と。 (※画像はイメージです/PIXTA)
「ここでなんとかして。畳の上で死にたい」と。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

■おひとりさまの在宅死と孤独死は別もの

 

ひとり暮らしで最期を迎える場合、介護士や看護師などが訪問中に息を引き取ることもありますし、おひとりで亡くなって、翌朝に訪問した看護師や介護士が見つけるという場合もあります。

 

ただ、いずれにしても在宅ケアに携わってきたチームみんなで支え見守った最期ですから、たとえ、おひとりのときに逝ったとしても、孤独死ではないのです。

 

また、ひとり暮らしの方が、おひとりのときに亡くなった場合でも、在宅医が関わっていて、老衰や末期がんなど死に至る病気の経過があり、その病気で亡くなったことが明らかであれば、在宅医は死亡診断書を発行できるため、自宅に警察が来ることはありません。

 

ですから、おひとりさまであっても、暮らし慣れた場所で、安心して穏やかな死を迎えることができます。

 

中村 明澄
在宅医療専門医
家庭医療専門医
緩和医療認定医

 

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在宅医療専門医
家庭医療専門医
緩和医療認定医

2000年東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」、緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。緩和ケア・終末期医療に力をいれ、年間100人以上の患者の方の看取りに携わっている。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。著書に『「在宅死」という選択 納得できる最期のために』(大和書房)がある。

著者紹介

連載「在宅死」という選択で自分らしい生き方と逝き方を探る

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

中村 明澄

大和書房

コロナ禍を経て、人と人とのつながり方や死生観について、あらためて考えを巡らせている方も多いでしょう。 実際、病院では面会がほとんどできないため、自宅療養を希望する人が増えているという。 本書は、在宅医が終末期の…

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