外壁塗装業界は多重構造…「中間マージン」問題を解消

 ③自社専属の職人がいる 

自社専属とは、自社で採用し、雇用し、教育しているという意味です。

外壁塗装業界は多重構造ですので、実はこのタイプの業者は多くありません。

実際の工事は下請けに任せることを前提に営業と受注に力を入れていたり、複数の下請け業者を使って依頼を管理するだけの仕事に終始しているような業者が多いのが実態なのです。

業者をいろいろと見ていくと、「技術力のある職人がいます」「専属チームが塗装します」などとアピールしている業者もあります。しかし、実態は微妙です。

「技術力のある職人」が、下請けに出す業者のなかにいるのかもしれませんし、定期的に下請けに出す業者のことを「専属チーム」と呼んでいるかもしれません。

このような業者は多重構造と同じです。自社で採用し、雇用し、教育している職人がいるかどうかが大事なのです。

自社の職人で工事できれば、多重構造で発生する中間マージンがなくなり、お客さんの費用をすべて工事に使えるようになります。

一概にはいえませんが、複数の中間マージンが発生する大手ハウスメーカーに依頼する場合と比べると、同じ質の工事を半分くらいの値段で行うこともできます。また、お客さんと業者の1対1の付き合いになりますので、意思の疎通が図りやすくなり、伝言ゲームのようなコミュニケーションでトラブルが起きる可能性も低くなります。

ただし、自社の職人がいても、技術力や対応力が低ければ工事の質は下がります。

そのため、自社で採用し、雇用するとともに、教育していることが重要なポイントなのです。

 ④技術力がある 

技術力があるのは外壁塗装業者として当たり前のことです。技術力を見抜くのは難しいですが、例えば、塗装は塗装技能士という国家資格があります。この資格は技術力を証明するものの1つですので、業者選びの際に確認してみるとよいでしょう。ちなみに、塗装技能士には一級と二級があり、一級のほうが難易度が高く、より高い技術が求められます。

また、過去に塗装した家を見たり、インターネット上の口コミ情報などによっても、技術に定評がある業者かどうか見えてくるでしょう。

口コミについては、例えば、業者の評判などについてはインターネットで検索して複数の情報を見ることができます。口コミ情報1つ1つの信憑性には差がありますが、投稿者が自分で撮影した写真などをアップロードしているコメントは信頼度が高いといえるでしょう。

各業者のウェブサイトで「お客様の声」や「アンケート回答」などを紹介しているページも口コミの一種ですが、自分の会社の宣伝のために作っているページだということを前提に読む必要があるでしょう。

ユーザーの顔写真や手書きの手紙の写真などがなく、ただテキストで「大満足です」「依頼してよかったです」などと打ち込んでいる場合、実際にはそのような声がなくても作れてしまうため、話半分で見たほうがよいですし、筆者は個人的には信用しません。

また、紹介サイトやアフィリエイト目的の個人のブログも、良いコメントを抜粋していたり、「サクラ」のような人が書いていたりする可能性があるため、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。

ちなみに、大手メディアなら信用できるかというと、最近はお金をもらって良いコメントを書く口コミ代行というアルバイトもあります。

「とても丁寧で信頼できる会社です」「とても満足しました」といった中身が薄いコメントや具体性に欠けるコメントは参考にしないほうがよいでしょう。

口コミや評判を調べる方法としては、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどのSNSを見る方法もあります。

業者のアカウントの場合は自社ウェブサイトと同じ程度の信頼性にとどまりますが、外壁塗装をした人が個人のアカウントで感想や写真を投稿していることがあります。

自社アカウントだった場合も、個人の人に向けたリプライや、仕事とは直接的には関係がないプライベートな投稿などを見ることで、その業者の対応力や人柄などを感じ取れることがあるはずです。

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