外壁塗装業者の良し悪しを、一般の方が見極めることは困難です。しかし、業者自身が発信している広告宣伝には、業者の姿勢や対応を予見させる、いくつかのヒントが隠れています。自身も外壁塗装の職人として経験を積み、現在は外壁塗装専門の会社を経営する筆者が、チラシから「良い外壁塗装業者」を見極めるポイントを解説します。

チラシの文言から「業者のアピールポイント」を探る

信頼して外壁塗装を任せられる良い業者はどのように探せばよいのでしょうか。

 

 ●チラシ、折り込み広告 

 

地元の業者で良い業者を探すという点から見ると、地域密着の業者は地域を限定してお客さんを集めますので、チラシや新聞の折り込み広告が最も身近な手段となるでしょう。チラシや広告を溜めていけば、地元にどんな業者がいるか分かってきます。気になる業者があれば、出掛けるついでに見に行ってみるとよいでしょう。

 

また、チラシや広告にはある程度のデザイン性が求められます。チラシも外壁塗装も、ともに制作物であると考えれば、チラシのデザインは業者のペイントデザイナーとしてのデザイン力を推し量る材料の1つになるでしょう。

 

また、チラシの文言としてどんなことが書いてあるか見ていくと、その業者がどんなことに力を入れている業者なのかも見えてくるでしょう。

 

例えば、安さ重視で仕事を取る方針なら、チラシのメッセージも価格の話が前面に出るものです。自社の職人に自信がある業者なら、職人の顔などを載せます。

 

そのような点に着目しながら、相談してみたい業者の目星を付けていくとよいでしょう。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

ネットで業者を探すなら…比較サイトのリスクに注意

 ●インターネット(自社サイト)

 

業者探しでは、インターネットのウェブサイトも有効な手段です。ただし、チラシや新聞の折り込み広告などと比べると、インターネットは広範囲で集客することに長けているツールですから、地元の業者でウェブサイトを作っているところは少ないかもしれません。そもそも業界全体の特性として、異業種よりデジタル化が遅れているという側面もあります。

 

地元業者のサイトがあった場合には、チラシと同様、デザイン性やメッセージなどに着目して見比べてみるとよいでしょう。

 

また、ウェブサイトはチラシのようなスペースの制限がありませんので、たくさんの情報を発信できます。情報発信の量という点では、積極的に情報発信している業者のほうが信頼できるでしょう。

 

施工の流れ、工事中の様子の写真などがあれば、どんな人が、どんなふうに施工するのかイメージしやすくなります。

 

重要なのは、施工する職人の「顔が見える」ことです。

 

顔が見えれば親近感がもてるでしょうし、業者側としても、仕事に自信をもっていなければ顔や名前は出しません。

 

過去に塗装した家の写真などがあれば、それらも業者選びの参考になるでしょう。

 

逆に、そのような実績が少ない業者や載っていない業者は少し警戒したほうがよいかもしれません。実績がないということは、自信をもって見せられる塗装例がないかもしれないからです。

 

◆比較サイト


インターネット上の業者探しでは、複数の業者に一括で問い合わせできる比較サイトを使うこともできます。全国すべての地域を網羅しているわけではありませんが、住んでいる地域で検索できれば、地域の業者の一覧が見られますし、一括で見積もりを取ることもできます。

 

このようなサイトは非常に便利です。

 

1つ1つ業者探ししなくても、「あらかじめ登録されている業者」のなかから地域の業者を選び出してくれますし、現地調査や見積もり依頼のための連絡も代行してもらえます。異業種ではすでにこのような比較サイトを使う選び方が普及していますので、レストラン選び、中古車の購入、不動産を売るときの価格査定などで使ったことがある人も多いことでしょう。

 

ただ、デメリットもあります。

 

その1つは、「あらかじめ登録されている業者」の情報しか見られないということです。

 

何事もインターネットで完結するほうが楽ですし、それが日常生活では当たり前になりつつありますが、外壁塗装のように大金を払う場合、また、その工事によって今後10年間の暮らしに影響が及ぶような場合は、楽な方法にだけ頼るのではなく、比較サイト以外にも良い業者がいないかどうか探してみるひと手間が大事です。

 

また、「あらかじめ登録されている業者」は、無料で比較サイトに登録されているわけではなく、広告料が発生しているケースが多いはずです。

 

例えば、比較サイト経由で契約が決まった場合に、工事代金の10%を比較サイトに支払う、といったケースです。

 

そのお金がどこから出ているかというと、直接支払うのは業者ですが、一歩引いてみると、お客さんが払った工事代金の一部ともいえるでしょう。仮に100万円の工事を依頼したら、そのうちの10万円が比較サイトに渡ります。

 

すると、業者は実質的には90万円で工事を行うことになり、お客さんが払った100万円との差額は、どこかで埋め合わせすることになります。もしかしたら、もともと90万円で収まる工事に、お客さんが100万円払っているのかもしれません。

 

あるいは、工事の途中で10万円相当の手抜きが行われるのかもしれません。

 

これは、構造的には多重構造で中間マージンが発生する状態と同じですので、その点から見れば、便利なサイトに頼らずに、自分で業者探ししたほうが満足度が高い施工になる可能性が高くなります。

 

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久保 信也

幻冬舎MC

なんとなく後回しにしがちな外壁塗装。実際に、料金や工法もよく分からない戸建て住宅オーナーは多い。 しかし、外壁塗装の知識がないまま業者に依頼してしまうと、雨漏りや料金トラブルが発生してしまうこともしばしば………

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