「おばあちゃんが出してあげる」孫のため月3万円の援助
「もう払えないわよ。来月からは、自分たちで何とかしてくれない?」
72歳の美智子さん(仮名)が息子にそう伝えたのは、孫2人の習い事代について話していたときのことでした。
美智子さんは長年会社員として働き、現在は月約21万円の年金を受け取っています。住宅ローンを完済した自宅で一人暮らしをしており、預貯金は約1,200万円あります。
車で30分ほどの場所には、45歳の長男・健太さん(仮名)が妻と小学5年生、小学2年生の子どもと暮らしています。
3年前、上の孫が英会話教室に通い始めたことが、援助のきっかけでした。
「英語が好きになったみたいでね。本人が楽しそうに話すものだから、応援してあげたくなったんです」
当時、健太さん夫婦は住宅ローンの返済や教育費の負担が増えていると話していました。そこで美智子さんは、英会話教室の月謝約1万2,000円を負担すると申し出たのです。
「おばあちゃんが出してあげるから、頑張って続けなさい」
孫は大喜びし、健太さん夫婦からも何度もお礼を言われました。
その翌年には、下の孫がスイミングスクールに通い始めます。
「お兄ちゃんだけじゃかわいそうだから、下の子の分もお願いできないかな」
健太さんにそう頼まれ、美智子さんは月約8,000円の月謝も負担することにしました。さらに、上の孫が別の習い事を始めたため、援助額は合計月約3万円に増えました。
「最初は月1万円ちょっとのつもりだったんです。それが、いつの間にか3万円になっていて」
月3万円なら年間36万円。これまでの援助額は、3年間で合計約80万円に上っていました。それでも、孫たちが発表会や進級試験の結果を報告してくれることが、美智子さんの楽しみだったといいます。
ところが昨年、自宅の給湯器が故障し、交換に約30万円かかりました。さらに屋根の補修も必要になり、業者から約100万円の見積もりを提示されたのです。
「家も古くなっていますから、これから修繕費が増えるでしょう。自分の老後のためにも、お金を残しておかないといけないと思いました」
美智子さんは悩んだ末、息子に習い事代の援助を終えたいと伝えました。
すると健太さんは、思いがけない反応を見せたのです。
「えっ、急に? もう来月の月謝も決まってるんだけど」
