(※画像はイメージです/PIXTA)

自宅や収益物件の価値を維持するために不可欠な外壁塗装工事。防水や防汚の効果はもちろんですが、色彩も建物の印象や美観を左右する重要ポイントです。しかし、よく考えずに色選びをしてしまうと、イメージとかけ離れた仕上がりとなり、後悔することになりかねません。失敗しない外壁塗装の色選びについてプロが解説します。

実際に塗った色は、チャートよりも明るく見えやすい

色は家の外観を決める最も重要なポイントで、色の濃淡や明るさによって印象がまったく変わります。

 

ここでは希望の色が決まっている場合、いない場合に分けて、流れを見ていきましょう。

 

希望の色が決まっている場合は、業者がカラーチャート(色の見本帳)を持っていますので、チャートを見ながら色みをシミュレーションしていきます。

 

その際に注意したいのは、チャートで見る色よりも、実際に外壁に塗った色のほうが明るく見えることが多いという点です。

 

チャートより実物のほうが明るく見える理由は、面積効果が働くため、室内と屋外では光の強さで見え方が変わるためです。

 

そのため、見本帳で「少し明るめの壁色にしよう」と色選びすると、実際は「こんなに派手になるのか……」となります。色が絞り込めてきたら、大きい板に塗った見本を見せてもらうか、実際に試し塗りしてもらい、実物に近い色を確認するようにしましょう。

 

希望の色が決まっていない場合や、複数の選択肢で迷っている場合などは、業者が過去に塗装した家の写真を見つつ、相談しながら色を決めていくとよいでしょう。

 

例えば、モルタル壁であれは、ベージュや白など明るめの色がお勧めです。というのも、モルタルの特徴である壁の凹凸は、暗い色だと目立たず、明るい色ほど明暗が浮かび上がって立体的に見えるためです。

専門家が勧める「汚れが目立ちにくい色」とは?

色は、好みで選ぶこともできますが、汚れにくさを基準に選ぶことも重要です。

 

汚れの状況は家の外部環境によって異なり、排気ガス、水垢、カビやコケなどの生物系の汚れなどが主な原因となります。

 

いずれの場合も、汚れが目立ちやすいのは、黒、白、赤、原色系です。

 

反対に、汚れが目立ちにくいのは中間色で、その視点からグレーやベージュを選ぶ人が多いといえます。

 

汚れの原因を根本的に抑えたい場合は、塗料の機能にも目を向けてみるとよいでしょう。

 

塗料にはそれぞれ機能があり、例えば、外壁に付着した汚れを雨で流れやすくするものなどがありますし、塗料のグレードが高くなるほど浸水性が良くなり、汚れが付きづらくなります。そのため、汚れが気になる場合は色みを考えつつ、機能にも目を向けてみましょう。

見積書の「下塗り・中塗り」に使う塗料も確認を!

ここまで決まったら、見積書の詳細を確認します。

 

(1)使用する塗料 

 

まずは打ち合わせで決めた色かどうか確認します。具体的には、塗料のメーカーや品番を確認します。

 

また、塗装は3度塗りが基本ですので、下塗りと中塗りに使用する塗料も確認します。

 

(2)塗る回数 

 

塗装の基本は3度塗りです。しかし、壁材や屋根材が劣化している場合、下塗りを2回、3回行うこともあります。この点は工事内容についての打ち合わせできちんと打ち合わせをして、その内容が見積書に反映されているか確認します。

 

(3)塗る面積 

 

見積書には塗装する壁や屋根の面積が数値で書いてあるはずです。

 

その内容に間違いがないか確認します。

 

(4)追加工事の金額 

 

雨どいなど付帯部の塗装も依頼する場合は、その内容が記載されているか確認しましょう。

 

壁や屋根のひび割れ修理や、コーキングの修理などを依頼する場合も同様です。

 

見積書に入っていない場合、のちに追加工事の費用として請求されることがあります。

 

(5)総額 

 

依頼内容をすべて反映した総額になっているかどうか確認します。不明な項目があれば、このときに確認しましょう。また、家の状態や状況などによって追加工事が発生することもあります。その場合は総額が変わりますので、どんな追加工事が発生する可能性があるか、追加工事が発生した場合、総額がいくらになるかといった点もあらかじめ考えておきましょう。

 

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家の寿命を20年延ばす はじめての外壁塗装

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久保 信也

幻冬舎MC

なんとなく後回しにしがちな外壁塗装。実際に、料金や工法もよく分からない戸建て住宅オーナーは多い。 しかし、外壁塗装の知識がないまま業者に依頼してしまうと、雨漏りや料金トラブルが発生してしまうこともしばしば………

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