ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『入院・介護・認知症…親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

なぜお見舞いのお裾分けは注意が必要か

エピソード

 

父は、ワーファリンという血液をサラサラにするための薬を服用していましたが、納豆や青汁は薬の効き方に影響が出るため控えるように指示を受けました。高血圧の薬の中には、グレープフルーツと組み合わせがよくないものもあると聞きます。ジュースの詰め合わせをもらい、お裾分けしたとき、降圧剤を服用している人にグレープフルーツジュースを渡してしまうことがあるかもしれません。相手の病状もこちらには不明ですし、やはりお裾分けは注意が必要だと感じます。

 

気を付ける組み合わせ(一例)


・ワーファリンと納豆や青汁
・高血圧薬とグレープフルーツ
・鼻炎薬とチーズ
・糖尿病薬とアルコール
・骨粗鬆症薬と乳製品 など

 

母が2度目の大腿骨頸部骨折で手術をした際、医者から車いすか、良くて杖になるだろうと言われました。ですが認知症のため、杖と自分の足を出すタイミングが理解できず、かえって危ない状態になるのです。

 

車いす生活も不便なため、母の驚異的な体力を期待して、手術後、車いす利用が認められた日から、フットレスト(足を置くところ)を上げて、床に足をつけ車いすのまま歩くという運動を、廊下で繰り返しました。病室でも座ったままで上下に動かす運動を続けました。これだけでも筋力がつくのです。

 

帰宅後は、ペダル式トレーナー/KH2(カワムラサイクル)で足こぎ体操10分を続けることで、両足とも大腿骨頸部骨折で手術していますが自立歩行ができるまで回復しました。座位が保てるときは、家庭でもリハビリを続けると回復が早いと確信しました。入院時も、看護師さんや理学療法士さんからこの行為を止められることはなく、「頑張りますね」と、励ましていただきました。

 

渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表

 

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親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

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渋澤 和世

プレジデント社

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