理想の介護の実現ができず絶望して辞めていく
つまり、多くの介護事業者は、自社の介護事業の収益を向上させるための集客マシーンとしてしか、ケアマネジャーを見ていないのが現状ではないでしょうか。営業が嫌だから、営業が向いていないから介護職になって、ケアマネジャーの資格を取ったのに、ケアマネジャーになった途端に、営業マンになっている自分がいるのはなぜなのか。
会社は、自社のサービスに自分が担当している高齢者を誘導しろというけれど、私は、利用者のことを考えた場合、自社ではなく、A社の提供している介護支援が一番よいと思っているのに……。経済的な話や経営的な話は理解できるが、しかし、私の考えているケアプランは違うのに……。この疑問が大きくなっていったとき、介護職員を辞める決断をするということになるのです。
つまり、介護職員が介護職を辞める一番の理由は、自分の介護観を会社や利用者などから評価してもらえなくなったときです。つまり、正しいと自身が考えている介護に対し、会社や利用者が評価をしてくれないことに気がついた時点で、介護職に見切りをつけて辞めていくのです。
もちろん、そこには介護職員側の勘違いもあります。さらに、会社側の無関心もあります。そして何より、介護サービスを使う利用者や入居者の無理解もあると思います。
介護職員の多くは、少なくとも介護職員になった当初は、誰しも自分にとっての理想の介護を目指して仕事をしています。しかし、その仕事の仕方、つまり自分の流儀が、会社でホームで評価されなくなったとき、絶望して辞めていくのです。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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