過剰サービスがモンスターカスタマーを生む
入居者にもある反省すべき点。
過剰サービスを望んではいけないケースもあるのでは?
私は、今の老人ホームの多くは過剰サービスになっていると思っています。
その理由は、入居者に対し、ニーズに応える努力をし続けてきた結果、過剰サービスになってしまっているからです。
そして、その過剰サービスが、モンスターカスタマーを生み、介護職員の離職に拍車をかけているのです。何度も繰り返して言っていますが、介護保険事業を単なるサービス業と位置付けてはダメです。利用者は、単にサービスを受ける権利があるなどと考えてはいけないのです。
介護保険事業を適切に発展させていくためには、介護事業者、介護職員、利用者本人、家族の4者が、お互いの立場を理解した上で、一緒に運営をしていくものだと思います。そのためには、介護保険事業の制度自体を全員で共有する必要があります。
介護保険事業ではケアマネジャーが作成するケアプランに基づき介護保険事業者が介護支援サービスを提供しています。当然、介護保険事業者は介護支援サービスを提供しなければ収益にはなりません。収益にならないということは、介護保険事業者として経営をしていくことができないということになります。
二宮尊徳曰く、
「道徳なき経済は犯罪であり、経済無き道徳は寝言である」
初めて介護職員になったときに、多くの老人ホームでは、手技の教育や介護観、つまり、優先順位などの教育を行います。しかし、二宮尊徳のこの考えの教育はしません。
老人ホーム運営の目的は何か。それは、経営をして金を儲けることにあります。もっと言うと、入居者に安心した生活環境を届けるには、健全経営、つまり金儲けをしなければならないのです。