経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

実績がある不動産会社や営業担当者を探せるか

不動産会社、営業マンの「売る力」の見極め方

 

(1)の不動産会社については、なるべく希望に近い条件で売ってくれる力のある不動産会社に出合えるどうかが大きなポイントとなる。高く、しかもすぐに購入してくれる人脈やノウハウを持ち、実績がある不動産会社や営業担当者を探し出すことがカギを握る。

 

永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

売る家主側も、売り出す不動産の修繕履歴や特徴に関する情報を十分に提供する必要がある。高めの売却金額を設定する際、設備の交換や修繕費用などに、どれだけの金額を投じているかがわかれば、価格の根拠を購入希望者に説明できるからだ。

 

では、どのようにして希望に近い条件で売却できる不動産会社を探せばいいのだろうか。管理を任せている不動産会社で売却実績があれば、管理会社に任せる方法がある。

 

委託している管理会社に売買実績があるかどうかを知るためには、まず収益物件の販売件数や売上高が全体のどの程度を占めているのかを質問してみる。ただし、質問をするときはあからさまに売却したいという話で相談しない方がいいようだ。明確に売る意思があるのを悟られると、断りづらい状況に持っていかれる可能性もあるからだ。参考として、売買実績や所有物件の予想価格などを質問し、担当者が誠実なのか、信頼して依頼できる相手なのかを判断する。

 

不動産購入で取引がある不動産会社に依頼するという方法もある。複数社あれば、それぞれに査定してもらい、最も良い条件を出す会社に依頼する。

 

その他、大手不動産会社に依頼するという方法もある。大手の場合は、売主と買主両方から手数料を獲得するという姿勢を徹底している会社もあるので、「期限を設けている」という家主もいる。

 

東京都内に53戸所有する畑昭さんは、東京郊外にあるRC造マンションを売却して、現在新宿で運営しているアパートメントホテルの建築費に充てた。マンション売却に当たっては、大手不動産会社4社に査定を依頼し、最終的に最も高い査定を出した会社に依頼した。その際に「3週間以内に売却相手を見つけられなければ、募集範囲を他社にも依頼する」という条件を付けて依頼したという。

 

依頼後、2週間は決まる気配がなかったため、発破をかけた結果、3週目に購入希望者の紹介を受けた。最終的には購入希望者の融資が決まるのを待ち、5週間ほどで売却を完了したという。

 

どの会社に依頼するかは、それぞれ問い合わせながら、同時に自分で情報を集めることが重要だ。最終的に依頼する不動産会社を2、3社に絞り、査定書をもらう流れになるが、「今すぐではない」「他にも査定を依頼している」などと告げれば、結果として依頼しない場合に断りやすい状況をつくりやすい。

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

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