仲介会社とタッグを組んで紹介した家主になる
また、仲介会社の店舗をまめに訪問し、入居希望者が来店すれば、家主自ら直接内見に案内もする。その際手ぶらではなく、必ずスタッフへのお土産を持参する。そのお土産も何が喜ばれるかをリサーチして選ぶ。夜食に便利なインスタント焼きそばなどは割と喜ばれるのだという。物件が魅力的であることはもちろんだが、仲介会社とがっちりタッグを組むことが、紹介したい家主になる道につながるのだ。
家主はスポーツチームの監督に似ている
管理会社との付き合い方となると、少し違ってくる。一般媒介に比べ、家主自身が動くよりも、管理会社が動きやすいように判断できるかどうかという点が重要になる。
宮城県仙台市の菅原貴博さんは、278戸の賃貸住宅を東北3県に所有しており、10社の管理会社に委託し、その体制でほぼ満室を実現しているという。
中古物件を購入したときは、基本的に管理会社は変えない方針だ。中古物件を買う場合、管理会社も変えてしまうと、その売買の前の状態に対して責任を持って発言ができる人がいなくなってしまうからだそうだ。
当然、購入したときの管理会社の管理レベルは必ずしも高いとは限らない。それでも菅原さんは、継続して付き合っていると見えてくる良いところを重視しているのだ。
「最終的にはコミュニケーションが重要。やるべきことは、相手に存分に力を発揮してもらって、自分の目的をいかに達成するかということだ。ただ話を聞けばいいというものではないし、ただ指示を出せばいいというものでもない」と菅原さんは言う。
誠実に対応してもらうためには、相手に責任感を持って動いてもらわないといけないが、その責任感をどう感じてもらうか、というところが難しい。ただ責任を押し付けるだけでは、良好な関係は築きにくくなる。
菅原さんは、「本音はみんな責任なんて取りたくないと思っているのだから、『あなたがやるって言ったのだからあなたがやりなさい』みたいな言い方ではやる気を失うだけ。その責任を、家主が取ってあげるという姿勢を示すことが大事」と話す。
例えば、入居者からクレームが来て、「どうしましょうか」という相談があったときは、「家主がこう言っているからって、管理会社じゃなくて俺のせいにしていいから、こういう風に対応して切り抜けよう」という感じで対応しているという。
「われわれ家主の仕事は野球でいえば監督。誰にどう動いてもらって、今一番活躍できる人は誰で、どの場面にどのタイミングで、選手をどう送り出していくのかといつも考えている」と管理会社との連携について語っている。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
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