経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

「楽して安心」経営をサブリースに任せる落とし穴

(2)の賃貸管理業務委託をする場合は、管理会社が家主の代行業者として動くが、入居者対応、募集条件などの最終的な判断をするのは家主自身だ。しかし、サブリース委託契約をした場合は、入居者に対する「貸主」は家主ではなく、サブリース会社のため家主に判断を仰ぐことはない。結果として、家主は賃貸経営のすべてをサブリース会社に任せることになるので、賃貸経営に関する日常的な業務の負担はかなり軽くなる。

 

ただし、建物を所有するのは家主だが、経営をサブリース会社に任せているため、経営実態は見えにくい。サブリース委託契約をしていた家主から、「経営状況が全くわからずブラックボックスで怖かった」と聞いたことがあるが、サブリース会社によっては、どんな入居者がいるのか、入居率や家賃の状況などの情報は一切出さず、明細書によくわからない項目の費用を記載し、家賃収入から差し引いている会社も時々あるという。

 

サブリース会社が家主から借り上げる家賃の金額は、定期的に見直しを行う。見直しの時期が来たときに初めて入居状況が悪いことを知らされ、その結果、借り上げ家賃の減額を要求されるということはよくある話だ。

 

サブリース会社に委託する場合であっても、現状を共有し、家主として建物の付加価値を上げる対策はできる。「楽して安心」などというキャッチコピーに惑わされず、何か問題が発生した場合、最終的な責任を問われ、負担を強いられるのは家主であることを認識して委託することが重要だ。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

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永井 ゆかり

プレジデント社

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