経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

入居者とのやり取りは管理会社が行う賃貸管理業務委託

滞納というネガティブな内容から紹介したため、「自主管理」にメリットがないと感じた読者もいるかもしれない。しかし、決してデメリットばかりではない。自主管理するということは、入居者との関係が深まるということだ。家主自身が賃貸住宅に足を運び清掃や巡回をすると、当然、入居者に会う機会が増える。その時に家主と入居者との交流が生まれ、良好な関係を築きやすくなる。

 

永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

入居者との良好な関係を築くために、入居者向けにイベントを行う家主は少なくない。賃貸住宅の敷地内でバーベキューをするという話はしばしば聞き、私も記事で何度も取り上げたことがある。後述するが、「家主業での幸福感」を語る家主には、こうした入居者との交流を挙げる人もいる。自主管理ならではかもしれない。

 

また自主管理は、家主自身で管理しているため管理会社に支払う「管理費」がかからないという点が最大のメリットだ。家賃の3~5%程度かかる管理費を高いと感じるか安いと感じるかは家主の考え方次第だが、家主自身が自主管理で経営できるのであれば、収益性を高めることができる。

 

(2)の賃貸管理業務委託をする場合は、入居後の入居者とのやり取りは管理会社が窓口となって行う。そのため自主管理とは異なり、家賃滞納時の督促やトラブル対応などの煩わしい業務からは解放される点がメリットとして大きい。

 

家賃集金を管理会社が行うため、入居者は管理会社の口座に家賃を振り込むか、口座引き落としとなる。

 

メリットばかりのように見える管理委託だが、うまく管理会社との関係を築けないと、空室や入居者トラブルの長期化などの問題を招く可能性もある。「管理会社に任せておけば安心」ではなく、管理会社はビジネスパートナーという意識を持つことが重要だ。家主は、経営状況についてはもちろんのこと管理状況を把握し、管理会社と方針を共有することで、家主自身が現場で動かない分、家主の意向を踏まえた対応をしてもらう体制づくりが重要になってくる。

 

(3)のサブリース委託契約の場合は、一見、管理委託契約をするケースと似ているが、似て非なるものだ。サブリース契約とは、アパートなど賃貸住宅をサブリース会社が一括で借り上げて、入居者へ転貸(又貸し)するもの。基本的に家主はサブリース会社と契約し、サブリース会社が入居者と賃貸借契約を行うので、家主と入居者とは直接契約関係がない点が大きく違う。

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

永井 ゆかり

プレジデント社

ひと昔は、大家さんというと「不労所得が得られる」と言われた。現在は人口が減少し、空室は増え、入居者の層も多様化し、世の中が複雑化したことで、大家の経営の難易度は確実に上がっている。しかし、やり方さえ間違わなけれ…

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