結局、借金しての不動産投資は儲かるのか?
例えば、返済期間30年で1億円を借りたケースで比較してみよう。
〈金利2%の場合〉
元利均等では、毎月返済額は36万9000円、そのうち金利の割合は45%。
元金均等では、毎月返済額は44万4000円、そのうち金利の割合は37%。
〈金利4%の場合〉
元利均等では、毎月返済額は47万7000円、そのうち金利の割合は70%。
元金均等では、毎月返済額は61万1000円、そのうち金利の割合は54%。
金利2%と4%を比較すると、金利が高くなるほど元利均等の金利返済割合が大きくなり、当初は元金が減らず返済総額が減りにくくなる。つまり、金融機関の儲けのための返済になってしまっている。
一方、金利が1%の場合を見てみよう。
〈金利1%の場合〉
元利均等では、毎月返済額は32万1000円、そのうち金利の割合は26%。
元金均等では、毎月返済額は36万1000円、そのうち金利の割合は23%。
金利1%で比較すると、元利均等と元金均等の金利返済割合の差が縮まる。この場合は元利均等で次の購入のための自己資金を貯めることを優先した方がよさそうだ。
次の不動産の購入に進むためには、借入総額を減らしながら、キャッシュを貯めることが必要だ。元金均等、元利均等の特性を考えつつ、金利の水準と今後の動向を見ながら判断する必要があるというわけだ。
「実際には金利が高い場合、元金均等だとキャッシュフローがマイナスになるというケースもあるだろう。しかし、そもそもそんな案件は投資に値しないのではないか」というのが沢さんの考えだ。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】