「10席くらい」のラーメン店が最もリスクが小さい
私がプロデュースしてきたラーメン店の規模は様々ですが、10席くらいの規模が最もリスクが小さいように感じます。10席までなら、1人でもなんとか回せます。しかし30席を超え始めると、スタッフは5~6人が必要になってきます。
当然、その分人件費もかかりますが、仕入れコストや無駄も大きくなってきます。10席くらいのお店であれば、もしも売上が下がったり、最初から予想していたほどの売上がなかったときに、迅速に方針転換や立て直しができます。しかし、規模が大きくなるにつれて、小回りが利かなくなってきますので、何をするにも大がかりになってしまうのです。
とはいえ、やはり自らがオーナーとなるラーメン店投資は、たとえば、どこかのフランチャイズに加盟した場合は、頑張っても利益率は5%程度ですが、自らがフランチャイザーとなるラーメン店投資では、15~20%程度の利益を出すことができます。
私はこのことをハイリターンであるとはあまり言いません。ハイリターンというと、なにやら一獲千金やぬれ手で粟的な響きを感じるのですが、ラーメン店投資は地道に稼いでいくものだからです。
とはいえ、確かに他の不動産投資などに比べれば、投資に対する回収は早いです。どのくらい早いかというと、400万円程度なら1年間前後で回収できてしまうということです。仮に回収率が悪い経営状態だったとしても2年間で回収できるでしょう。
これが不動産投資であれば、10年や20年といった長いスパンで回収計画を立てざるを得ません。それくらい長くなると、世の中がどうなっているか分かりません。
2~3年のペースでお店のリニューアルをすべき
一度人気ラーメン店になれば、よほどのことがなければ安定した収益を上げ続けることができます。よほどのこととは、味が落ちてしまうことや店内の清潔感が失われることを示します。もちろん、スタッフの対応が悪くなることも注意しなければなりません。私はお金に余裕がある人に対しては、2~3年のペースでお店のリニューアルを行うことを勧めています。
リニューアルといっても全面的に工事する必要はなく、目立って劣化しているところを補修したほうがいいですよ、と勧めています。たとえばテーブルや椅子が劣化してきていれば、まとめて新しいものに交換する。壁や床などお客さまの目に触れるところが劣化して清潔感がなくなったり貧乏くさくなっているようであれば、補修してきれいにします。
すると、これだけでもまるで違う店になったかのような印象を与えてくれます。明るさが増し、清潔感も増しますので、なじみのお客さまにとっても気持ちが良いですし、初めて来店されたお客さまにとっても、第一印象が良くなりリピート率が上がります。
また、もしも売上が目に見えて下がり続けているときは、思い切って看板を変えることを提案しています。同時にメニューも変えてしまいます。すると、いきなり売上が上がります。なじみのお客さまは店長やスタッフの顔を覚えていますから、「ああ、リニューアルしたんだね」とお店側が事業を大事にしている印象を持ってくれますし、長いこと遠ざかっていたお客さまや遠目に見ていた人たちからすれば、「あ、店が新しくなった」という印象を持ちます。
で、実際に入ってみると、確かにメニューも違うわけです。ラーメンの場合は、材料の組み合わせやスープの組み合わせでいろいろなバリエーションを作り出せますから、メニューの変更はそれほど難しいことではありません。