全国で街同士の競争の時代が始まる
この街ではこうしたテーマをもとにここで暮らす人々に多くの技術を体感し、サービスを享受してもらおうというものです。
トヨタ自動車のWovenCityは自動車や道をテーマにした新しい街ですが、豊田章男社長は会見で、街づくりについてトヨタ一社だけではできないとし、他の多くの異業種と連携して作り上げていく、と述べています。通常であれば、街づくりには国内のデベロッパーと手を組んでいくのが常道ですが、今回の計画ではデンマークのビャルケ・インゲルスという若手建築家を招き、開発を進めるとのことです。
ポスト・コロナの時代に選ばれる街になるには、それぞれの街がどのような特徴を打ち出していくかにかかっています。それはインバウンドを呼び込むような、ただの観光都市ではないはずです。
同じ外国人がテーマであっても、たとえば、外国人との交流ができるとか外国の仕事を受注できるとか、あるいはある国の歴史や文化を勉強できるなどの特徴ある生活の実現が可能になるような、そういったキャラクターを持った街になることです。
またその街に属し、街中で活動することによって地域通貨などによるいろいろなポイントが付与され、それを活用できるような街が出てくるでしょう。それは単なる商売だけでなく、地域でのボランティア活動やアイデア提供のレベルでもポイント付与がなされれば、地域内の活動はより活発なものとなるでしょう。
街の基本インフラとしてどんな種類のレイヤーを構築していくのか、提供するレイヤーの内容によって、その街を指名して住む人が現われる、そんな街づくりがポスト・コロナの主役となりそうです。
このことは当然、街同士の競争の時代の幕開けを意味します。将来にわたって人口は減少を続け、日本は高齢化の一途をたどることは逃れようがありません。そんな時代環境の中、「散って」生活することを選択せざるをえなくなったわれわれは、24時間生活して快適な街を自らが選択していく必要があります。そのためのレイヤーづくりがこれからのテーマなのです。
牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】