
新型コロナウイルスの感染拡大によって不動産の世界は激変している。景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『不動産激変 コロナが変えた日本社会』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。
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自宅マンションはフローで利益を生まない
不動産成功の方程式が変わる
巷には相変わらず、不動産大家さんになって大成功した人の本が持て囃されています。「サラリーマン大家の秘訣」「サラリーマンは寝て儲ける」などといった題名が本屋の棚を飾ります。そのすべての本を読んだわけではありませんが、多くの本に共通しているのが、アパートやワンルームマンションなどを金融機関から融資を受けて購入し、家賃収入で安定した収入を得ていこう、というものです。
とりわけ現在は低金利時代。東京の人口が増加し続ける限りにおいては立地さえ間違えなければ、節税と合わせて多くのキャッシュフローが得られるというのがだいたいのストーリーです。この法則自体は何も目新しいものではなく、以前よりサラリーマン収入を補うものとして喧伝されてきたものです。

私から見れば、自宅として買ったマンションで、値上がりを期待して、どこのエリアのマンションが値上がりするだの、これからは下町が良いだの、思惑で買い求めるよりも、自宅ではない投資案件として不動産をよく勉強して買うほうが悪くない選択だと思っています。
理由は、自宅マンションはフローでは何の収益も生み出さないからです。自宅投資などという考えは、プロの不動産アドバイザーである私から見れば、まるで理屈に合わない危険な投資です。
理由は簡単です。自宅では家賃収入がありませんので、この投資は売買時のキャピタルゲイン(売却益)のみを狙う投資となります。もちろん運が良ければ、3年後、5年後などに買った当初よりも高い価格で売れるかもしれない。最近で言うならば、2013年から15年くらいに買い求めたマンションで、結果として価格が上がった物件はいくつも存在します。ただ、それはたまたま東日本大震災で落ち込んだ不動産価格のときにマンションを買い、アベノミクスという金融マーケット操作と都心居住の推進、五輪効果による建設需要の膨れ上がりで、土地と建物建設費が暴騰した結果、新築マンションの価格が高くなり、それに引きずられて中古価格が上がったにすぎない一時的な現象です。
東京都の人口ですら2025年をピークに減少に転じます。ましてや今後、多くの人が必ずしも都心居住をする必要がないビジネス社会になってくれば、単純な都心居住の流れに乗って値上がりしてきたマンションが今後も多数出現するとは考えにくいものがあります。
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