遠慮してよ!…相続財産「ほぼ全取り」を狙う姉の悲しい背景
亡母が残した相続財産は自宅、賃貸マンション、そして預貯金。シングルマザーで苦労続きの姉は、裕福な未亡人の妹に不動産を渡したくなく、激しい衝突が起こってしまいます。しかしそもそもの発端は、亡母が契約していた税理士の不用意な発言で…。解決策はあるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。
相続の財産評価は「路線価」が基準
相続の場合は、路線価を基準として財産評価をしますので、「売れたらいくら」という表現をしないのが基本です。まずは相続評価を出し、相続人個々の意向を確認しながら全員に無理のない妥協点を探っていくという方法が、トラブルのリスクを抑制します。今回のケースの場合、「もし売れば6000万円」という発言がなければ、また違った展開になったかもしれません。
まだ根本的な解決には至っていませんが、奥村さん姉妹がお互いに少しずつ歩み寄ることができれば、改めて解決の道筋が見えてくると思われます。
※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。
曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
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株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
一般社団法人相続実務協会 代表理事
一般社団法人首都圏不動産共創協会 理事
一般社団法人不動産女性塾 理事
京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。
著書86冊累計81万部、TV・ラジオ出演358回、新聞・雑誌掲載1092回、セミナー登壇677回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2025年版 』(扶桑社)など多数。
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。