マンションのスラム化…逃げる外資マネーと地獄を見る日本人

新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

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「マンションがスラム化」は絵空事ではない

さて、問題は後者です。中には不動産価格の急落に狼狽して売り浴びせる投資家も出てきそうです。

 

しかし最も心配なのが、売り時を失した結果、物件を放置することです。興味のなくなったおもちゃは誰もが部屋の片隅に追いやってしまうものです。たとえば、湾岸タワマンを所有はしているが、管理費や修繕維持積立金は支払わない。部屋を大勢の同胞人に使わせて他の住民とのトラブルを招くなど、厄介な出来事が発生する懸念もあります。

 

そうした環境の悪化は他の住民の退去につながり、結果としてマンションが「スラム化」するというシナリオも、あながち絵空事ではないかもしれません。

 

「帰る」ところがないのが日本人投資家です。彼らはどこへも逃げることができません。バブル崩壊で空港から去っていく外国人をただ茫然と眺めている日本人の姿が、再び見られるようになるかもしれません。

 

牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役

 

オラガ総研 株式会社 代表取締役

1959年、アメリカ生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J-REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、オラガ総研株式会社代表取締役としてホテルや不動産のアドバイザリーのほか、市場調査や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題』『民泊ビジネス』『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』など多数。

著者紹介

連載不動産の動きを観察すれば、日本経済がわかる

不動産で知る日本のこれから

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牧野 知弘

祥伝社新書

極地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けている。高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、金を出さねば売れない物件もある。いったい日本はどうなっているのか。 「不動産のプロ」であり、多くの…

業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

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牧野 知弘

祥伝社新書

不動産が高騰し続けている。 銀座の地価は1980年代のバブル期を上回り、三大都市圏と「札仙広福」(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇が著しい。国内外の投資マネーの流入、外国人富裕層の購入を背景に、超大型ビルや再開発の計画…

不動産激変 コロナが変えた日本社会

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牧野 知弘

祥伝社新書

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