「問題になれば会社を倒産させる」は、実はよくある話
サブリースにおいては、販売価格に基づいて投資家に高収入を謳っている手前、相場よりも家賃を高く設定せざるを得ません。当然、客付きは悪く、空室率が高くなります。つまり、長期的に見れば、ビジネスモデルとして破たんしているのです。
詳しくは本連載で後述しますが、今回の問題の最も大きな論点の一つは、スマートデイズが最初からいけるところまで稼いだあとに「計画倒産」するつもりであったのかどうか、ということです。
倒産しても経営陣の資産まで処分されるわけではありませんから、儲けはほぼそのまま懐に入ります。不動産投資業界では、「悪徳スキームで稼ぐだけ稼いで、問題になれば会社を倒産させる」というのは、実はよくある話です。また、一度味を占めた業者が再び起業し、社名を変えてまた同じように儲けに走ることも多いものです。
こうした悪徳業者に騙され不利益を被るのは、大概の場合、投資家なのです。
※本記事は書籍『不動産投資業者のリアル』を抜粋したものです。
藤本 好二
ウィステリア・グループ株式会社
会長兼代表取締役社長