空室が目立つマンション…「消えたお金」のナゾ
■「広告料」を吊り上げようとしたら要注意
巷のアパートやマンションを見ると、条件も設備も悪くないはずなのに空室が目立つような物件も珍しくありません。そうした現象の原因の一つとなっているのは、賃貸仲介業者に客付けを依頼する元付の管理会社です。客付けを自ら行っている管理会社でも、同様のことがいえます。
賃貸仲介会社には、仲介手数料以外に、実はもう一つの収入源があります。それは広告料です。
広告料は、実質的には客付けを行った仲介会社に対しオーナーが支払う報酬という位置付けとなっています。仲介手数料の上限は法律で決まっているため、それに加えて広告料として成功報酬を支払うわけです。
元付けの管理会社に物件を任せている場合、広告料に関する取り決めも管理会社との間で行われ、まずは管理会社に広告料を支払います。それは「家賃〇カ月分」というかたちで支払うのが一般的ですが、報酬が賃貸仲介会社に渡るときには、半額になっていたりすることがよくあります。
なぜかといえば、管理会社が「中抜き」をしているからです。
例えば成約時に家賃2カ月分の報酬を支払ったはずなのに、賃貸仲介会社には1カ月分しか振り込まれず、1カ月分は管理会社が手中に収めています。
とはいえ、新たに入居者を迎える際には、管理会社も審査や事務手続きなどの業務を担うため、その対価を広告料というかたちでまかなうのは、悪徳ではありません。管理会社側も、報酬を取ることをあらかじめオーナー側に伝えていることが多く、合意ができていれば問題ありません。
やっかいなのは、中抜きを隠しているケースです。