詐欺に巻き込まれると「訴訟」にまで発展することも
スマートデイズでは、「お得意先」の金融機関であるスルガ銀行に提出する審査書類を改ざんし、投資家の資産背景などをよく見せることで融資額を吊り上げていたことが明らかになっています。この事実だけを見ると、都合よく改ざんされた書類に基づいて融資を引き出されたスルガ銀行は被害者ともとれますが、ここにも裏があります。
スマートデイズを巡っては、サブリース賃料の支払いを停止した問題で、オーナーが同社や関連会社などを相手取って計2億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしています。
その声明文を見ると、スマートデイズだけではなくスルガ銀行に対しても訴訟がなされていることが分かります。声明文には、オーナー側がどういった被害を受けたのかが詳しく書かれていますから、ここで紹介しておきます。
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2018年4月19日付けの弁護団声明
「スマートデイズに対する管理命令に関して」
スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団
1.東京地方裁判所民事第20部が4月18日付で民事再生手続開始申立を棄却し、保全管理人による管理を命ずるとともに破産手続への移行の方針を示したことは適正なものと評価します。当弁護団は、保全管理人(後々の破産管財人)による本件の真相解明ならびに配当原資の確保に期待し、そのための諸手続に全面的に協力して、被害者のために全力を傾注します。
2.この間の調査やスルガ銀行との交渉などにより、スルガ銀行によるサブリース事業への融資に重大な違法があることが明らかになりました。
第1に、被害者が不動産販売会社などに提出した銀行融資のための預金通帳・口座の取引記録・源泉徴収票等の資料のコピーが、ほとんどの事例で偽造されていた事実が、スルガ銀行及び販売会社が開示した被害者名義の通帳等のコピーなどから明らかになりました。しかも、そのことにスルガ銀行の役員及び同行横浜東口支店の支店長や担当職員が関与していたとしか考えられない事情が解明されつつあります。