年金暮らしの高齢者は、何割を投資に回せたのか?
年金などが唯一の収入である働いていない層の方であれば、余裕資金すべてを投資に回すのは得策ではありません。7割程度を投資するのが適切かなと思います。
働き盛りで収入を得ている層の方であれば、余裕資金のほぼすべてを投資に回しても問題ないと私は考えます。ただもっと具体的にいえば、家計の状況や今後の人生プランによっても変えていく必要があります。
現在独身なのか既婚なのか、独身であれば今後結婚する予定があるのか、結婚しているなら子どもはいるのかいないのか、子どもがいるなら現在何歳で今後教育費がどれだけかかると想定されるのか、家持ちなら家の修繕費や各種出費が将来いくら必要となりそうか、などなど。投資にかける余裕資金の割合を決めるファクターは多数存在します。
例えば結婚していて子どもが生まれたばかりなら、10年後の出費を見越して積み立ての投資を行い、資産を増やすのは良策でしょう。しかし2、3年以内に子どもが高校や大学へ行くため、学費用のまとまったお金が必要になるのが確実であれば、投資は控え貯金をたくさんしておくべきです。株式などの投資よりも前に、自己投資や自家投資のプランを先に立てるべきなのです。
投資は中長期目線で行うのが肝心ですから、投資に使う余裕資金も、「本当に投資に使っていいものか」どうかを常に冷静に吟味しましょう。余裕資金は使う予定のないお金、もっといってしまえばなくなっても問題のないお金です。よほどのことがない限り元金がなくなってしまうケースはありませんが、このくらいの余裕のある気分で投資をしないと、精神衛生上もよろしくありません。
精神的なストレスをなくすためにも、余裕資金で行う投資に対して、どっしりと構えられる考え方を持つようにしましょう。この姿勢で投資に取り組めば、目先の出来事に流されなくなりますし、結果を急ぐこともなくなります。必然的に、投資で得られる利益が増えていくことでしょう。
次回は明日(7/29)配信。
※本記事は書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』を抜粋したものです。
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原田 茂行
IFA/自由が丘財産コンサルタンツ合同事務所代表/一般社団法人シニアウェルスライフ協会代表理事