どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京王井の頭線「久我山」駅。

リーズナブルな家賃で広めの物件が見つかることが魅力

そんな「久我山」駅周辺の家賃水準をみていきましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は5.84万円、11分を超えると6.20万円となっています(図表1)。駅から離れると専有面積の広い物件や、リノベーション物件が多くなり、家賃がアップしているようです。杉並区全体の家賃水準と比較すると、杉並区では駅徒歩10分圏内の平均家賃は6.42万円、11分を超えると6.11万円。「久我山」駅周辺は、杉並区内でも家賃水準がリーズナブルなエリアだといえます。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(4月23日時点) ※単位は万円
[図表1]「久我山」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(4月23日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

 

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会社員の適正家賃からみてみると、「久我山」周辺は、20代の若手会社員でも十分に居住を検討できるエリアです。久我山で目につくのは、駅から少々離れたところにある、低層のデザイナーズマンション。多くの人が憧れを抱くような物件ですが、残念ながら適正家賃以上。とはいえ、駅チカ、築年数もそこそこ浅く、専有面積も20㎡以上の物件が、適正家賃内で見つけることができるのは、大きな魅力です。

 

交通の利便性をみてみましょう。「久我山」駅から「吉祥寺」駅へは6分、「渋谷」駅へは25分。また「新宿」へは「明大前」駅乗り換えで27分、「東京」へは「吉祥寺」乗り換えで46分でアクセスできます(所要時間は平日8時に「久我山」駅を出発した場合の目安)。また平日通勤時間帯には4分に1本ほどの割合で電車が来るので、電車が来なくてイライラすることもありません。井の頭線の混雑率は150%弱といわれていますが、「吉祥寺」駅方面、「渋谷」駅方面の電車、いずれも、改札口の関係で先頭車両は激混みです。混雑を避けるなら、後方車両がおすすめです。

 

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