どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、相模鉄道本線「星川」駅。

工場跡地を再開発…行政と商業がほどよく集積

「星川」駅は横浜市保土ヶ谷区にある、相模鉄道本線の快速列車の停車駅です。1日の乗降者数は3万人弱。地元の方でないと馴染みのない駅かもしれませんが、横浜市保土ヶ谷区の行政の中心となっている駅です。

 

 

元々、この一帯は星川村と呼ばれていたところで、横浜市になったのは、1927年(昭和2年)のこと。星川の地名は古く、平安時代に編纂された『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にも見られます。松や杉が生い茂り、昼でも暗い鬱蒼とした地で、川の水面に星影を映していたことから、その名が付いたなど、諸説伝わっています。

 

「星川」駅近郊は踏切が多く、慢性的な渋滞が問題になっていた場所でした。しかし2018年に「星川」~「天王町」で高架化が完了。駅前広場や都市計画道路などが順次整備される予定です。

 

そもそも「星川」周辺には、かつて大規模な工場が集積していたエリアでしたが、1980年代に移転。駅北口エリアにあった富士紡績の工場跡地には、官公庁用地とされ、保土ヶ谷区九尺所など、主要な機能がまとまったエリアになっています。

 

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一方、駅南口エリアにあった古川電池の工場跡地には、駅隣接の商業ビル「星川SFビル」とマンションが、保土ヶ谷清掃工場跡地には保土ヶ谷図書館などの公共施設が建てられました。さらに駅南口から南東に徒歩10分ほどのところにあった日本硝子のビール瓶工場の跡地は「横浜ビジネスパーク」となり、野村総合研究所やソニーなどの事業所が入居しています。

 

駅周辺には、商業施設も充実しています。「いなげや横浜星川駅前店」「イオン天王町店」などの大型スーパーが、駅徒歩5分圏内。駅前にはホームセンター「コーナン保土ヶ谷星川店」もあり、DIY好きなら重宝します。どこも大きな駐車場が完備され、遠方からの来客で賑わっています。

 

再開発により、行政・商業がバランスよく集積した「星川」周辺ですが、緑も豊かで、北口から徒歩20分ほどで「三ツ沢公園」、南口から徒歩15分ほどで「県立保土ヶ谷公園」。駅北口すぐの「川辺公園」にはプールもあり、家族連れにも人気のスポットです。

 

保土ヶ谷区は横浜市の中心に位置する区で、その名前から「ほどほどになんでもある」と言われることも。星川はまさにその言葉を体現するような「ほどほどに何でも揃う」場所です。

 

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