東京メトロ9路線…利用客増加率ベスト3を発表
東京(一部埼玉、千葉)を縦横無尽に走る東京地下鉄、通称、東京メトロ。全9路線、総計195.0kmにも及ぶネットワークは、都心にアクセスできる交通機関として、なくてはならない存在です。
東京で地下鉄が初めて走ったのは、いまから100年近くも前の1927年。現在の銀座線の一部である「浅草」~「上野」が東洋初の地下鉄として営業を開始しました。その後、1954年に丸ノ内線、1961年に日比谷線、1964年に東西線、1969年に千代田線、1974年に有楽町線、1978年に半蔵門線、1991年に南北線が開業。そして2004年に営団地下鉄から東京メトロになってから、2008年に副都心線が開業しました。
9路線のうち、7路線でほか鉄道会社と直通運転が行われ、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県まで、広範囲で運転されています。
そんな東京メトロには、180の駅がありますが(重複含まず)、利用客を増やしたり、減らしたりと、栄枯盛衰の歴史があります。まずはそれぞれの路線ごとに、各駅10年(2008~2018年)の増減率をみていきましょう。
■銀座線
「渋谷」と「浅草」を結ぶ14.2km。その間に19の駅があります。そのなかで最も利用客増加率が高かったのが「京橋」で131%。「田原町」「稲荷町」と続きます(図表1)。
日本橋と銀座の間に位置し、東京・八重洲に近い「京橋」周辺は、小・中規模のオフィスビルの多いエリアですが、近年、大規模な再開発事業が行われ、2013年「東京スクエアガーデン」、2016年「京橋エドグラン」が誕生。通勤客が大幅に増えました。
また上野と浅草の間に位置し、合羽橋なども近い「稲荷町」「田原町」は、インバウンド客の増加によって、利用客を増やしました。
■丸ノ内線
「荻窪」「方南町」と「池袋」を結ぶ、総延長27.4km。東京メトロでは珍しく、「中野坂上」から「方南町」へと分岐線が走ります。全28駅のなかで最も増減率が高かったのが「新宿三丁目」で226%を記録。これは2008年の副都心線開業が大きく貢献していると考えられます(図表2)。
続く2位が「西新宿」。新宿副都心の北端にある駅ですが、西新宿から北新宿にかけての再開発で、2011年「住友不動産新宿グランドタワー」「新宿フロントスクエア」と高層オフィスビルが誕生。通勤利用客が大幅に増えました。