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所得税には「総合課税」と「分類課税」があった
20世紀初頭の所得税には、大きく分けて2つの方式がありました。米国、英国、ドイツなどが採用していた「総合所得課税方式」と、フランス、イタリアなどが採用していた「分類所得課税方式」です。
前者は所得を合算して課税するのに対し、後者は所得を種類ごとに分類し、それぞれに比例税率を適用する方式です。
1928年に作成された国際連盟のモデル租税条約では、こうした2つの課税方式を考慮し、それぞれに対応する別々の租税条約モデルが作成されています。
現在の租税条約では、事業所得などについては総合課税を基本とし、配当、利子、使用料などの投資所得については、支払地で一定の税率による源泉徴収を行う方式が採用されています。特に後者の源泉徴収方式は、分類所得課税の系譜に位置づけることができます。
英国では、源泉徴収は18世紀から
源泉徴収による徴税方式は、英国では1692年に創設された土地税(Land Tax)ですでに採用されていました。借地人などが地代を支払う際に、税額相当分を差し引いて納付する仕組みです。この方式が、後に所得税にも取り入れられたと考えられます。
所得税については、英国のヘンリー・アディントン(Henry Addington、1757~1844)が制定した1803年の所得税法で、源泉徴収方式が導入されています。
米国では、1862年に成立した所得税法において、連邦政府の公務員や軍人の給与のほか、銀行などから支払われる利子や配当について源泉徴収が行われました。
日本では、利子所得については1899年(明治32年)から、給与所得については1940年(昭和15年)から源泉徴収が採用されています。

