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租税条約を基盤に発展してきた国際的な情報交換
各国の税務当局が頭を悩ませているのは、自国の納税者が国外でさまざまな取引を行い、資産を所有していることです。しかし、各国の税務当局は、調査の範囲を国外にまで広げることができません。そこで考えられたのが、各国の税務当局間で税務に関連する情報を交換する仕組みです。ただし、その実現には法的な基盤が必要です。
国際間の税務協力の枠組みとしては、租税条約があります。租税条約は20世紀初頭から始まり、当初は所得の居住地国と源泉地国への配分や、国際間の二重課税の防止などを目的としていました。その後、条文の整備が進み、租税条約に基づく情報交換も拡充されました。その内容は、法定調書情報、自発的情報交換、要請に基づく情報交換の3種類です。このうち、利子・配当に関する法定調書情報が最も多く交換されていました。
こうしたなか、2012年にOECDは、税務当局間で非居住者の口座情報を提供し合う自動的情報交換に関する国際基準(AEOI)の策定に着手し、多くの国がこれに参加しました。2014年には、AEOIにおける共通報告基準としてCRSがG20などで支持され、日本では2017年1月1日以後、適用が開始されています。
金融口座情報の自動的交換で海外資産を把握
国税庁が令和8年1月に公表した「令和6年度租税条約等に基づく情報交換事績の概要」によれば、令和6事務年度における自動的情報交換、自発的情報交換、要請に基づく情報交換の実績のうち、自動的情報交換にはCRS(共通報告基準)情報が含まれており、外国からの受領件数は2,745,374件に上ります。国税庁は、受領した金融口座情報を確認し、日本の居住者による申告漏れなどの把握に役立てています。
