高野山の宿坊で「1億円超の申告漏れ」…宗教法人は本当に"非課税"なのか? アメリカの教会との意外な違い【国際税理士が解説】

高野山の宿坊で「1億円超の申告漏れ」…宗教法人は本当に"非課税"なのか? アメリカの教会との意外な違い【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

世界遺産・高野山の宿坊を営む複数の宗教法人で、総額1億円を超える申告漏れが発覚しました。大阪国税局の税務調査で、住職やその家族による私的な支出を寺の経費として処理していたケースなどが確認され、追徴税額は総額約6,000万円に上ったとされています。宗教法人には税制上の優遇がありますが、「宗教法人は税金を払わない」というのは正確ではありません。外国人観光客が急増し、1泊20万円を超える宿坊も登場するなか、宗教法人のお金はどこまで非課税なのでしょうか。アメリカの教会に対する税制や、IRSによる税務調査の仕組みと比較してみます。

なぜIRSは教会を簡単に税務調査できないのか

ここからが、日本とアメリカの大きな違いです。

 

アメリカでは、IRSが教会に対して税務上の調査を行う場合、内国歳入法(IRC)7611条という特別なルールが適用されます。

 

IRSが「何となく怪しい」「一度調べてみよう」という理由だけで、通常の事業者と同じように教会を調査できるわけではありません。

 

教会が免税資格を満たしていない可能性がある、あるいは課税対象となる事業を行っている可能性があるなど、調査を行う合理的な理由が必要となります。

 

さらに、その判断を文書化したうえで、教会側への事前通知など、一定の手続きを踏む必要があります。

 

なぜここまで特別な扱いがされているのでしょうか。

 

背景には、アメリカ憲法が保障する信教の自由があります。政府が宗教団体に容易に介入できるようになれば、宗教活動そのものへの干渉につながりかねません。

 

そのため、IRSによる教会への税務調査には、一般の納税者とは異なる制限が設けられています。

日本とアメリカ、宗教法人の「非課税」の仕組みは違う

日本とアメリカでは、そもそも宗教団体が税制上の優遇を受ける仕組みも異なります。

 

日本では、宗教法人法に基づいて宗教法人という法人格を取得し、そのうえで法人税法などによる税制上の取り扱いを受けます。

 

一方、アメリカではIRC501(c)(3)という税法上の規定によって、一定の要件を満たす宗教団体などが免税団体として扱われます。

 

特に教会には、免税認定や年次情報申告、税務調査などについて、一般の非営利団体とは異なる特例が設けられています。

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