「宗教法人は非課税」は大きな誤解
宗教法人の税制を考えるとき、「非課税」という言葉だけが独り歩きしがちです。
宗教法人が行う宗教活動に伴う収入(お布施やさい銭、戒名料など)には、一般の株式会社などとは異なる税制上の取り扱いがあります。一方で、宿坊事業のような収益事業から生じる所得については、法人税など課税の対象となります。
つまり、「宗教法人だから何をしても非課税」という制度ではありません。
かなり以前、京都で寺院の拝観料への課税が議論された際、全国の寺院が一斉に反発したことがありました。寺社勢力が歴史的に大きな社会的影響力を持ってきたことも含め、日本では宗教と税の問題が非常にデリケートなテーマであることが分かります。
だからこそ、宗教活動を守るための税制上の配慮と、宗教法人の財産管理の問題は分けて考える必要があります。
インバウンドが押し寄せる高野山の宿坊
今回の問題を考えるうえで、もう一つ注目したいのが、高野山の宿坊を取り巻く環境の変化です。
近年、高野山の宿坊には、寺院での生活や精進料理など、日本ならではの文化体験を求める欧米を中心とした外国人観光客が急増しています。宿坊によっては、宿泊客のほとんどが外国人というケースも珍しくないといわれています。
宿坊といえば、かつては参拝者が寺に宿泊する場所というイメージが強いものでした。しかし現在では、外国人観光客にとって貴重な日本文化の体験施設にもなっています。
高野山そのものが世界的な観光地となるなか、宿坊もまた大きなビジネスへと変わりつつあります。
