1泊20万円超も…「宿坊」は高級旅館並み?
現在の高野山には、「高級宿坊」をうたう施設もあります。
なかには1泊1人20万円を超える料金を設定する宿坊もあり、一般的な旅館やホテルと比較しても決して安い価格ではありません。
もちろん、宿坊は一般のホテルとは異なり、寺院という特殊な環境そのものに価値があります。精進料理や座禅、写経など、通常の観光では体験できないサービスもあります。
しかし、宿泊客から相応の料金を受け取り、多額の収入が生じているのであれば、その経理についても厳格な管理が求められます。
目の前に大きなお金があれば、宗教者であっても人間です。寺院のお金と個人のお金を混同しない仕組みが必要になります。
アメリカでは宗教団体も「501(c)(3)」の対象に
では、アメリカでは宗教団体をどのように扱っているのでしょうか。
アメリカでは、宗教団体を含む一定の非営利団体について、内国歳入法(IRC)501(c)(3)に基づく免税制度があります。
教会についてはさらに特別な扱いがあり、一定の要件を満たしている場合、IRSに個別の免税認定を申請しなくても、税法上の免税団体として扱われます。
また、一般の501(c)(3)団体に提出が求められるForm 990についても、教会は原則として提出義務が免除されています。
日本の宗教法人制度とは仕組みが異なりますが、アメリカでも宗教団体に対して税制上の特別な配慮が設けられていることは共通しています。
「教会なら何をしても非課税」ではない
もちろん、アメリカでも教会だから何をしても非課税というわけではありません。
宗教活動とは関係のない事業、いわゆるUnrelated Businessを行って一定の所得が生じた場合には、原則としてその所得に課税されます。
さらに、教会などの免税団体から、その代表者などの関係者に不当に大きな経済的利益を与える「Excess Benefit Transaction(過大な利益供与取引)」が行われた場合には、ペナルティ税が課される可能性があります。
たとえば、教会の代表者に不当に高額な報酬を支払う、教会のお金で代表者の私的な支出を負担する、教会の資産を代表者に不当に安い価格で譲渡するといったケースです。
この点は、今回の高野山の問題とも共通しています。
宗教活動に税制上の配慮をすることと、宗教団体の財産を代表者個人のために使うことは、別の問題なのです。
