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米国の確定申告書に「市民権・就労資格」の質問
米国人からよく聞くのが、「日本の確定申告書は単純だ」という話です。日本の所得税の確定申告書は、主要な部分だけを見れば数枚程度ですみます。一方、米国の確定申告書は、関連する書類まで含めると20枚程度になることも珍しくありません。
このほど、まだ正式なものではありませんが、IRS(米国内国歳入庁)から2026年度の個人所得税確定申告書のドラフトが示されました。
今回の改正案で注目される新規事項の一つが、納税者に対して「あなたは米国市民権保持者ですか、それとも米国で合法的に働くことができる許可を得ていますか」といった趣旨の質問を設けることです。
日本にはない夫婦合算申告の場合には、申告者本人だけではなく、配偶者についても米国での在留資格などを回答する必要があります。
税額控除による不正還付を防ぐ狙い
今回、このような質問を追加する理由について、IRSは税額控除を利用した不正な還付を防ぐことが目的だと説明しています。
米国には、Earned Income Credit(勤労所得税額控除)、Child Tax Credit(児童税額控除)、American Opportunity Tax Credit(米国オポチュニティ税額控除)、Adoption Credit(養子縁組税額控除)など、一定の要件を満たした場合に税額控除を受けられ、場合によっては還付を受けることができる制度があります。
IRSとしては、こうした税額控除や還付の対象となる人のなかに、米国での滞在や就労が法的に認められていない人が含まれることを問題視しているようです。そこで、申告書の段階で市民権や就労資格を確認し、不正な還付を防ごうというわけです。
もっとも、これに対しては反論もあります。IRSはSocial Security Administration(社会保障庁)とも連携しており、そもそも税額控除や各種給付の対象となる可能性について、事前に確認できる仕組みがあるはずです。それならば、確定申告書に新たな質問を設ける必要はないのではないか、というわけです。
