「改正前なら節税できる」という発想に注意
税制改正には単純な「施行日前」「施行日後」という線引きだけでは捉えられない部分がある。
2027年1月1日から新しい評価方法が適用される以上、それ以前の贈与に新制度をそのまま遡及適用するわけではない。2026年中に贈与による取得が成立すれば、原則として現行の評価方法による。
しかし、それは「2026年中ならどのような取引をしても問題ない」という意味ではない。
『週刊T&A master』の報道によれば、国税当局は、改正前に行われる不動産小口化商品の親族間贈与について、「駆け込み贈与等の発生が懸念される」との認識を示し、重大な関心をもって注視するとしている。さらに、悪質な事例については、課税処分を念頭に資料・情報収集を行う方針とされている。
一方で、現時点で確認できる範囲では、不動産小口化商品の改正前の駆け込み贈与だけを直接の対象として、総則6項の適用を認めた公表裁決や裁判例が確認されているわけではない。そのため、「駆け込み贈与だから総則6項が適用される」「改正前の贈与は否認されやすい」と断定することもできない。
注意したいのは、改正内容を認識した後に商品を購入し、評価額と市場価格の乖離を利用して短期間で親族へ贈与し、その後早期に換金するようなケースだ。
こうした取引については、購入時期や贈与までの期間、贈与後の財産管理、換金の有無、資産承継としての合理性など、一連の事情を踏まえて個別に検討される可能性がある。
2027年1月の評価方法見直しは、不動産小口化商品を使った相続税対策の大きな転換点となる。同時に、改正前の「駆け込み贈与」について、国税当局がどのような取引に着目し、どこまで個別の事情を確認していくのかにも注目が集まりそうだ。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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