(※写真はイメージです/PIXTA)

2027年1月から、貸付用不動産の相続税・贈与税評価方法が見直され、不動産小口化商品も従来のような大幅な評価圧縮が難しくなる。これを受け、国税当局は改正前の「駆け込み贈与」を注視しているようだ。2026年中の贈与であれば原則として現行評価が適用されるが、現行制度にも財産評価基本通達6項(総則6項)があり、取引内容によっては個別に否認される可能性もある。「施行日前なら大丈夫」と単純に考えず、取引の経緯や贈与後の財産管理まで含めた慎重な判断が求められる。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

「駆け込み贈与」や節税目的だけで否認されるわけではない

もっとも、ここで注意したいのは、「駆け込み贈与だから総則6項が適用される」という単純な話ではないことだ。

 

貝井税理士は、「駆け込み贈与」であることや節税目的があることだけで、直ちに総則6項が適用されるわけではないと指摘する。

 

「購入時期、贈与までの期間、取得価額と通達評価額の乖離、贈与後の保有・換金状況、資産承継としての合理性などを総合的に見る必要があります」

 

では、具体的にどのような点が確認される可能性があるのか。貝井税理士によると、例えば次のような事情が考えられるという。

 

・商品の購入時期
・改正内容を認識した時期
・購入から贈与までの期間
・取得価額や買取価格と通達評価額との乖離
・贈与後の保有期間
・贈与後の分配金の帰属
・贈与後の売却、換金または事業者による買取りの有無
・贈与税以外の資産承継上の目的や合理性
・一連の取引を誰が提案し、どのような説明を受けて実行したか

 

形式面を整えておけば十分というわけでもないようだ。「贈与契約書や資金移動などの形式を整えるだけでなく、受贈者が実際に財産を取得・管理し、その後の収益や処分権限を有していることも重要です」と貝井税理士は説明する。

 

例えば、改正内容が公表された後に親が不動産小口化商品を購入し、その直後に子へ贈与。その後、短期間で売却・換金するといった取引であれば、単純な資産承継として評価できるのか、取引全体を確認する必要が生じる可能性がある。

 

一方、以前から保有していた商品を、相続対策や資産承継の一環として子に贈与するケースまで、同じように評価されるわけではない。重要なのは、贈与を行った時期だけでなく、その前後を含む一連の取引にどのような経緯と合理性があるのかという点だ。

次ページ改正を知ってからの「購入→贈与→換金」は用心したい

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