トランプ一族は「過去の税務調査」を免れるのか…「反武器化基金」廃止でも残った異例の特権【国際税理士が解説】

トランプ一族は「過去の税務調査」を免れるのか…「反武器化基金」廃止でも残った異例の特権【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国では、トランプ政権の司法長官人事の承認と「反武器化基金」をめぐり、異例の問題が浮上しました。トランプ大統領の元私的弁護士であるトッド・ブランチ氏は、司法長官への就任に向けて、上院議員から反武器化基金の撤回を求められていました。最終的に基金は廃止され、ブランチ氏は2026年8月8日、上院本会議での賛成50、反対49という僅差の採決を経て、正式に司法長官に就任しました。しかし、問題はそれだけではありません。修正された和解案には、トランプ氏本人や息子たち、さらにトランプ氏の事業について、過去の確定申告に対する税務調査を制限する内容が残されています。はたして、現職大統領とその一族だけが「過去の税務調査を免れる」という異例の扱いは認められるのでしょうか。

トランプ氏と息子たちの税務調査を免責?

それが、トランプ氏本人とその息子たち、さらにトランプ氏の事業に対する過去の税務調査を制限する内容です。

 

報道されている修正和解案では、2026年5月19日以前の確定申告について、トランプ氏本人、エリック・トランプ氏、ドナルド・トランプ・ジュニア氏、そしてトランプ氏の事業に対するIRSの税務調査を制限する内容が残されているとされています。

 

ここが、今回の問題の最大のポイントです。反武器化基金については、司法長官への就任を確実にするため、ブランチ氏が2026年8月2日付で正式な廃止命令に署名しました。

 

ところが、基金を廃止しても、税務調査に関する条項は撤回されていません。

 

つまり、表面的には「反武器化基金を撤回したことで問題が解決した」ように見えても、トランプ氏とその一族、事業に対する過去の税務調査を制限するという、より根本的な問題は残ったままなのです。

税務調査の免責が異例である理由

米国でも、確定申告を提出した後にIRSから申告内容について調査を受けることは、特別なことではありません。

 

申告内容に問題があれば、追加の税金やペナルティーが課されることもあります。これは基本的には、納税者が誰であるかによって変わるものではありません。

 

ところが、現職大統領やその家族、事業について、過去の申告を税務調査の対象から外す、あるいは調査を制限するような取り決めがなされるとすれば、一般の納税者には認められていない特別扱いになる可能性があります。

 

しかも、それが訴訟の和解条件として盛り込まれているのであれば、「なぜ訴訟の解決と税務調査の免責がセットになっているのか」という疑問が生じます。

 

米国の税務専門家や税務弁護士の間でも、こうした取り扱いは極めて異例だとの指摘が出ています。

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