2013年の金融危機で注目されたロシア資金
キプロスとロシアの金融関係を象徴する出来事が、2013年の金融危機です。
当時のキプロスでは、銀行部門が国内経済に比べて大きく膨張していました。さらに、ギリシャ危機などの影響を受け、銀行システムが深刻な危機に陥ります。
キプロスは金融システムを立て直すため、EUなどから金融支援を受けることになりました。
その際、支援の条件として預金者にも負担を求める案が浮上しました。当初の案では、10万ユーロ以下の預金に6.75%、10万ユーロを超える預金には9.9%の課税を行うことが提案されました。
この案が公表されると、預金者が銀行から資金を引き出そうとATMなどに殺到し、取り付け騒ぎへの懸念も広がりました。
ただし、ここで注意が必要です。この6.75%と9.9%の預金課税案は、そのまま実施されたわけではありません。キプロス議会がこの案を否決したためです。
その後、10万ユーロ以下の預金を保護する一方、大口預金者などに負担を求める銀行再編・ベイルインが行われました。
当時、キプロスの銀行にはロシアからの預金が多く存在していました。キプロスへの金融支援をめぐっては、「ロシアの富裕層が多額の資金を預けている銀行を、欧州の納税者が救済することになるのではないか」という問題も議論されました。
この金融危機は、キプロスとロシア資本との結び付きが、単なる貿易関係ではなく、金融・投資の面で深いものであったことを象徴する出来事となったのです。
