飲食料品の消費税率「1%」で何が起きる? 価格据え置きなら事業者の「益税」になるのか

飲食料品の消費税率「1%」で何が起きる? 価格据え置きなら事業者の「益税」になるのか
(※写真はイメージです/PIXTA)

政府は、物価高への対応として、2027年4月から飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる方針です。消費者にとっては大幅な負担軽減となる一方、税率が下がっても商品の販売価格が同じままなら、その減税効果は誰に帰属するのでしょうか。インボイス制度によって従来の「益税問題」が変化するなか、飲食料品の税率1%で生じる新たな論点について考えます。消費減税の決定を受け、『食料品消費税1% 減税×給付付き税額控除の真実』を緊急出版した矢内一好氏が解説します。

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物価高で値上がりした食料品、消費税率が下がっても「価格据え置き」

先日、食品をテイクアウトした際、以前より商品の価格が上がっていました。お店の人に「値上がりしたね」と尋ねると、物価上昇の影響だということでした。

 

そこで、「来年4月から消費税率が下がるので、価格も下がるのですか」と聞いたところ、「税金は下がっても、価格は据え置きです」とのことでした。仕入れコストが上昇していることが、その理由だそうです。

 

これは、今回の飲食料品の消費税率引き下げを考えるうえで、重要なポイントだと思います。

 

政府は、飲食料品の消費税率を1%に引き下げることについて、物価高に苦しむ国民の生活を支援するための措置と説明しています。税率を8%から1%に引き下げることで、大きな減税効果が期待されます。

 

しかし、税率が下がったからといって、必ずしも店頭価格まで同じ割合で下がるとは限りません。食品を販売する事業者も、原材料費、人件費、物流費、光熱費など、さまざまなコストを負担しているからです。

 

そのため、消費税率が引き下げられても、事業者がその分を販売価格に反映させず、価格を据え置くケースも考えられます。

消費税率8%→1%、7%分の減税効果は誰に届くのか

今回の制度を単純化して考えてみましょう。

 

現在、飲食料品には8%の消費税がかかっています。それが1%になれば、税率は7ポイント下がることになります。

 

政府が税率引き下げによる生活支援を行うのであれば、本来は、その減税効果が消費者に届くことが期待されます。

 

ところが、税率が8%だったときと販売価格が変わらなかったとすれば、消費者が支払う金額は同じです。その場合、8%の税率で販売していたときと比べて、事業者が納付する消費税額は少なくなります。

 

では、その差額に相当する部分は誰のものになるのでしょうか。もちろん、商品の価格は消費税だけで決まるものではありません。仕入れ価格などのコストが上昇しているのであれば、消費税率が下がったとしても、その分を価格の引き下げに回せない場合があります。

 

しかし、政府が「国民の生活支援」として税率を引き下げるのであれば、実際の販売価格がどのように変化するのかについても、考える必要があります。

 

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