一人暮らしへのふんぎりがつかない理由
では、なぜ一志さんは家を出ないのでしょうか。実際、資産は6,400万円あり一人暮らしは十分可能です。それでも踏み切れない理由は、一度増えた資産を減らしたくないからです。
「都内だと家賃は8~10万円前後。水道光熱費が1~2万円ぐらいだとして、年100万円以上は確実にかかりますよね。総菜や外食で食費も高くなるでしょう。FIREするかわかりませんけど、夢は1億円なんです。それが遠のいてしまうので……」
内閣府の「満足度・生活の質に関する調査」では、所得や資産にゆとりのある層ほど生活満足度が高い傾向が見られます。経済的な安心感は、暮らしの満足度を支える大きな要素であることは確かです。
その一方で、人間関係や居場所、将来への納得感といった、お金では測れない要素も満足度に大きく関わります。資産を増やすことには成功した一志さんですが、心からくつろげる居場所を見つけることは、まだできていません。
「まぁ、でもビジネスホテルで過ごす夏も悪くないもんですよ」
実家暮らしによって築いた6,400万円の資産。経済的な余裕を手にした一方で、家族との距離や、自分が心地よく過ごせる場所については、今も答えを探し続けています。
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