(※画像はイメージです/PIXTA)

「繰り下げれば年金額が増え、残された家族も安心」。そう信じて繰下げを選んだ元公務員の夫が73歳で急逝したとき、妻に提示された遺族厚生年金は、想像を大きく下回るものでした。繰下げで増えた分は遺族年金に反映されず、自分の年金との併給調整も入る。これは個別の事例ではなく、公的年金の明確なルールに基づく結果です。最新の統計と制度を基に、世帯全体でどう判断すべきかを整理します。*本記事は、社会保険労務士への相談でよく見られる事例を基に、個人が特定できないよう再構成しています。

数字で見る「夫婦の年金格差」の現実

厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和6年度版)』によると、厚生年金の受給権を持つ65歳以上の受給者における平均月額受給額(老齢基礎年金を含む)には、依然として大きな男女格差が存在します。

 

男性(長年フルタイムで勤め上げた人が多い)の平均受給額が月額約17万円であるのに対し、女性(専業主婦や扶養内パート期間が長い層も含まれる)の平均は月額約11万円にとどまります。

 

このデータが意味するのは、日本の多くの高齢世帯において、「妻の老後の生活基盤は、夫の厚生年金(および夫亡き後の遺族年金)」に大きく依存しているという現実です。

 

なお、厚生労働省の社会保障審議会(年金部会)等では、将来に向けた遺族年金制度の見直し議論(若年期の受給制限や男女差の解消など)も進められており、制度の最新動向を正しく把握しておくことの重要性が高まっています。

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