求められるのは「将来の税制ビジョン」
食料品の消費税減税も、給付付き税額控除も、それぞれ重要な政策です。しかし、それらはあくまで個別の制度であり、日本の税制全体の将来像を示すものではありません。
少子高齢化が進み、社会保障費の増加が避けられない日本では、消費税は今後も基幹税として重要な役割を担い続けることになります。そのため、目先の物価高対策や選挙公約にとどまらず、「将来の消費税をどう設計するのか」という中長期的な視点で議論を進めることが不可欠です。
政府には、将来の税率水準や軽減税率のあり方、給付付き税額控除との組み合わせなどを含めた税制全体のビジョンを国民に示すことが求められます。現在進められている政策論争とは別に、日本の消費税制度を10年後、20年後にどのような姿へ導いていくのか。その方向性を明確に示すことこそ、本当の意味で「骨太の方針」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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