共働き世帯の需要が都心住宅に集中
不動産経済研究所の2026年の調査によると、都心6区では新築分譲マンションの平均価格は2億円を超え、コロナ禍前の2倍以上の水準です。23区外の市町村でも、コロナ禍前の平均5,000万円台から8,000万円超になっています。
日本総合研究所 調査部の主席研究員・西岡慎一氏は、現在の住宅価格高騰の理由について、次のように指摘します。
「背景には、コロナ禍以降に進んだ経済構造の変化があります。国内外の供給制約の強まりを背景に、資材価格や人件費の上昇が建設コストを押し上げているのです。さらに、世界的な住宅価格の上昇に円安や日本の低金利も重なり、海外マネーが東京の不動産市場に流入していることも大きいでしょう」
また、それのみにとどまらず、根底には「東京の産業構造の変化」があると西岡氏はいいます。
「日本経済は長年にわたって製造業がけん引してきましたが、近年ではサービス産業の比重が高まっており、特にコロナ禍以降、デジタル、金融、コンサルティングなどの高付加価値サービス産業の存在感が一段と高まっています」
その結果、企業が顧客や人材を求めて東京に集まり、人材(雇われる側)もよりよい雇用機会を求めて東京へ向かうという循環が生まれ、東京に高所得者層が増えているのです。
国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査結果によると、東京都、神奈川県、千葉県、山梨県では給与所得者のおよそ10人に1人が年収1,000万円を超え、その数は10年前より7割増えています。
「夫婦ともに高収入の『パワーカップル』も増え、職住近接を重視する共働き世帯の需要が都心住宅に集まっているのです。さらに、シニア富裕層の都心回帰も住宅需要を押し上げています」と西岡氏は強調します。
