論理的に説明できない動きには「限度」あり
以上のようにみると、先週円買いが鈍かった理由を論理的に説明するのは難しいといえます。
為替市場の値動きは常に理屈どおりに動くわけではありませんが、論理的に説明できない動きには基本的に限度があります。そう考えると、先週のような円買い反応の鈍さが長く続く可能性は低いのではないでしょうか。
ちなみに、CFTC統計による投機筋の円ポジションは、先週にかけて小幅ながら2週連続で売り越し(米ドル買い越し)縮小となりました(図表6参照)。夏期休暇を控え、例年どおりポジション調整が始まっている可能性を感じさせます。
根強い円安マインドにより円買い反応が鈍い状況が続いていますが、為替介入(円買い介入)再開などなんらかのきっかけしだいでは、積み上がった米ドル買い・円売りポジションの調整が一気に進み、米ドル安・円高が広がる可能性もあるのではないでしょうか。
今週の注目点…「骨太の方針」決定に合わせ介入再開となるか
今週の米ドル/円は「158~163円」と予想
今週は、目立った米経済指標の発表予定はありません。ECB(欧州中央銀行)の金融政策発表が予定されているものの、今回は政策金利据え置きが見込まれており、むしろ翌週に日米の金融政策発表を控えていることを踏まえると、金融政策が波乱要因となる可能性は低いと考えられます。
日本では、高市政権の経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」が閣議決定される可能性があります。「骨太の方針」は財政規律への懸念から「長期金利上昇=円売り」材料となる可能性がありますが、逆にこれを“円売り材料出尽くしのタイミング”と位置づけ、米ドル売り介入を再開する可能性も注目されます。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円は「158〜163円」と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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