海外制度を参考にした「日本版」は誕生するのか
税制改革では、海外で成果を上げている制度を参考にしながら、自国の制度設計を進めることは珍しくありません。
たとえば、日本で2002年に導入された連結納税制度は、米国の制度を参考に設計されました。一方、移転価格税制における事前確認制度(APA)は、日本で整備された制度が米国にも取り入れられています。このように、各国が互いの制度を参考にしながら税制改革を進めることは、国際的にも一般的な手法となっています。
給付付き税額控除についても、日本が一から制度を構築するのではなく、海外の先行事例を参考に制度設計を進める可能性は高いと考えられます。そのまま外国の制度を導入できるわけではありません。税制や社会保障制度、地方税制度、行政組織、さらには国民の働き方や家族構成まで、それぞれの国で大きく異なるためです。
2012年に税制調査会が公表した資料では、米国、英国、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、カナダの制度が紹介されています。当時から10年以上が経過し、各国とも制度改正を重ねていますが、日本が制度設計を行う上で参考となる基本的な考え方は今も変わっていません。
今後、社会保障国民会議などで具体的な制度設計が議論されることになりますが、その際の最大の論点は、「どの国の制度をモデルとするのか」、あるいは「日本独自の制度を構築するのか」という点になるのではないでしょうか。
