2029年導入へ動き出す「給付付き税額控除」――制度の成功に欠かせない社会保障行政の一元化とは

2029年導入へ動き出す「給付付き税額控除」――制度の成功に欠かせない社会保障行政の一元化とは
(※写真はイメージです/PIXTA)

2029年度の導入に向けた議論が進む給付付き税額控除。低所得者支援や子育て支援の新たな柱として期待される一方で、制度を円滑に運用するには、税と社会保障をまたぐ行政の仕組みそのものを見直す必要があります。身近な事例から、給付付き税額控除が抱える将来の課題について考えます。

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2029年導入へ向けて議論が進む給付付き税額控除

高市首相の肝いり政策として導入が見込まれる給付付き税額控除について、制度を検討している社会保障国民会議の実務者会議では、2029年度から導入する方向で大筋合意したと報じられました。

 

給付付き税額控除を世界で初めて導入したのは、1975年の米国です。その後、約50年にわたる制度改正を重ねながら、現在では低所得者支援や就労支援の重要な政策として定着しています。

身近な出来事から見えた行政の課題

一見、この話とは関係のないことですが、最近、知人の家庭で不幸がありました。

 

死亡届は火葬などの手続きのため区役所へ提出済みでしたが、その後、国民健康保険や介護保険、自治体から支給される各種給付に関する通知が、それぞれ別々に遺族へ郵送されてきました。

 

さらに、国民年金については、日本年金機構という別の組織へ改めて届出を行う必要があります。

 

また、長年寝たきりの家族を介護していた知人は、本人がマイナンバーカードを取得することが困難な状況であるにもかかわらず、金融機関からカードの写しの提出を求められました。金融機関は、利用者の事情よりも社内ルールを優先し、一律の対応を求めたのです。

 

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