(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査の結果、追徴課税や更正処分を受けたとしても、その判断が常に正しいとは限らない。事実認定に誤りがあったり、法令の解釈について納税者と税務当局の見解が対立したりすることもある。そのような場合、納税者には税務当局の判断を争うための「税務争訟制度」が用意されている。しかし、「税務署に異議を申し立てても意味はあるのか」「裁判まで行けば逆転できるのではないか」と考える人も少なくないだろう。国税庁と国税不服審判所が公表した令和7年度の統計を見ると、不服申立制度は一定の権利救済機能を果たしている一方で、税務当局の判断を覆すハードルは決して低くないことも浮かび上がる。本稿では、再調査請求、審査請求、税務訴訟という三つの制度を、最新データを基に読み解いていく。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

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税務訴訟は三段階で進む

税務調査の結果、更正や決定などの処分に納得できない場合、納税者には段階的な救済制度が設けられている。

 

最初の手続きが「再調査請求」だ。これは、処分を行った税務署長などに対し、その処分の見直しを求める制度。言うならば、税務署自身に再検討を求める手続きだ。請求期限は、原則として処分があったことを知った日の翌日から3カ月以内となっている。

 

次に利用できるのが「審査請求」だ。これは、国税庁の特別の機関である国税不服審判所が担当する。国税不服審判所は国税庁の組織に属しているものの、審判官の職権の独立が制度上保障されており、中立・公正な立場から事実認定や法令解釈を審理し、裁決を行うことが求められている。

 

さらに、その裁決にも納得できない場合には、裁判所へ税務訴訟を提起することになる。

 

もっとも、現在では必ずしも再調査請求を経る必要はない。2016年の制度改正により、納税者は再調査請求を行わず、直接、国税不服審判所へ審査請求を申し立てることが可能となった。第三者機関による判断を早期に求められる制度へと見直された。

 

次ページ再調査請求は増加するも、認容率は8.0%

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