60坪の豪邸に一人きり。72歳女性が抱えた「静かな孤独」
都内の閑静な住宅街の一角に建つ大きな邸宅で、雅恵さん(72歳・女性)は一人暮らしをしていました。
数年前、急逝した夫遺したのは、長年住み続けた自宅と多額の金融資産。総資産は3億円を超え、年金収入(遺族年金含む)は月23万円ほど。生涯、お金に困ることはない身の上でした。
誰の目から見ても「悠々自適の暮らし」に映っていましたが、夫を亡くしてからの雅恵さんの日常は一変しました。以前はアクティブな夫とともに旅行へ出かけ、買い物や外食を謳歌していた雅恵さん。夫婦に子どもはおらず、夫こそが人生の中心だったのです。
その夫を失うと、友人との会話にも距離が生まれるように。「夫が」「子どもが」「孫が」……そんな会話に、自分だけが取り残されていくような孤独を覚えるようになっていったのです。
広い自宅に帰っても、迎えてくれる人は誰もいません。静まり返った家の中で、雅恵さんはひそかに孤独を募らせていきました。
そんなある日の夕方、事件は起きました。
雅恵さんはいつものスーパーで夕食の買い物していました。目に留まったのは、どこにでもあるチョコレート菓子。それを何気なく手に取り、そのまま自分のバッグへと入れてしまったのです。

