(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査の結果、追徴課税や更正処分を受けたとしても、その判断が常に正しいとは限らない。事実認定に誤りがあったり、法令の解釈について納税者と税務当局の見解が対立したりすることもある。そのような場合、納税者には税務当局の判断を争うための「税務争訟制度」が用意されている。しかし、「税務署に異議を申し立てても意味はあるのか」「裁判まで行けば逆転できるのではないか」と考える人も少なくないだろう。国税庁と国税不服審判所が公表した令和7年度の統計を見ると、不服申立制度は一定の権利救済機能を果たしている一方で、税務当局の判断を覆すハードルは決して低くないことも浮かび上がる。本稿では、再調査請求、審査請求、税務訴訟という三つの制度を、最新データを基に読み解いていく。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

再調査請求は増加するも、認容率は8.0%

国税庁によると、令和7年度に新たに発生した再調査請求は1,713件で、前年度から20.3%増加した。

 

税目別では、法人税等や源泉所得税の増加が目立っている。企業活動の複雑化に加え、インボイス制度の定着などにより、課税関係をめぐる争点が多様化していることも背景にあると考えられる。

 

一方で、結果を見ると税務署の判断が覆るケースは多くない。令和7年度に処理された1,448件のうち、納税者の主張が全部または一部認められた認容件数は116件で、認容率は8.0%だった。

 

内訳は、全部認容20件、一部認容96件である。反対に、多くの案件では税務署の処分が維持されており、税務署自らが当初の判断を変更するケースは限定的であることが分かる。

 

もっとも、再調査請求の役割は、単に処分の取消しを求めることだけではない。税務署の判断理由を明らかにし、争点を整理することで、その後の審査請求や訴訟に備える意味も持っている。

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