「失業手当193万円もらえるはずが…」年収1,100万円・40歳SE、退職後にハローワークで告げられた“まさかの一言”【社労士が解説】

「失業手当193万円もらえるはずが…」年収1,100万円・40歳SE、退職後にハローワークで告げられた“まさかの一言”【社労士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

副業解禁から早8年、本業とは別に収入源を持つ会社員も珍しくなくなりました。リスク分散や生活防衛の観点からも、副業には多くのメリットがあります。しかし、本業を「退職」することになった場合まで想定している人は、多くないのではないでしょうか。特に、副業が軌道に乗り、法人化を検討している場合、注意が必要です。SEであるAさんの事例をとおして、副業と失業給付の関係、そして見落としがちな注意点についてみていきましょう。社会保険労務士・岡佳伸氏が解説します。

「副業で稼げる人」ほど、失業給付を過信してはいけない

Aさんのような事態に陥らないためには、退職を決断する前にいくつかのポイントを確認しておくことが重要です。

 

まず、副業を法人化している場合は、自分が代表取締役として登記されているか、実際にどの程度事業を行っているかを確認しましょう。売上が小さい、稼働時間が少ない、という自己判断だけでは不十分です。

 

また、退職後に基本手当を受ける可能性がある場合は、退職前にハローワークや社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。退職後に窓口で初めて「受給できません」といわれても、法人化や契約関係は簡単には戻せません。

 

そして、借り上げ社宅や会社経由の福利厚生を利用している場合は、退職後の住居費を必ず試算しておくべきです。失業手当を前提に家計を組んでいたのに、その手当が受けられないとなれば、生活設計は大きく狂います。

 

Aさんは、決して無計画な人ではありませんでした。むしろ、会社員として高収入を得ながら、副業でも収入を増やし、法人化まで進めた行動力のある人です。

 

しかし、雇用保険の基本手当は、収入が減った人を一律に救済する制度ではありません。副業で稼げる人、法人を持っている人、自分の名義で事業をしている人ほど、「自分は失業者として扱われるのか」を丁寧に確認する必要があります。

 

Aさんは、後日、妻にこう話しました。

 

「会社を作ったときは、取引先とのやり取りが楽になることしか考えていなかった。まさか、失業手当に影響するとは思わなかった」

 

副業を認める会社が増え、以前より会社員の働き方は多様になりました。しかし、制度の側はいまだに「会社員」か「事業主」かという線引きを前提に動いている部分があります。

 

退職後に後悔しないためには、副業の収入額だけでなく、事業の形態、法人の役員登記、社宅などの福利厚生、そして雇用保険の受給可能性まで含めて、退職前に一度立ち止まって確認することが欠かせません。

 

 

岡 佳伸

社会保険労務士法人 岡佳伸事務所

特定社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

 

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※本稿の事例は、制度説明のために実際の相談内容の一部を再構成しております。

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