再び1ドル=160円超えで再燃する「為替介入」の可能性…投機筋との攻防で相場は荒い展開か【今週の米ドル/円予想レンジ「156~161円」の根拠】

6月9日~6月15日の「FX投資戦略」ポイント

再び1ドル=160円超えで再燃する「為替介入」の可能性…投機筋との攻防で相場は荒い展開か【今週の米ドル/円予想レンジ「156~161円」の根拠】
(※画像はイメージです/PIXTA)

4月末、日本の通貨当局は円安阻止を目的に「為替介入」を実施し、その影響で一時1ドル=155円台まで円高が進みました。しかし、6月5日に発表された米5月雇用統計が予想を上回る強い内容となったことで米金利が大きく上昇し、米ドル/円は再び160円を突破しました。こうしたなか、為替介入が再び行われる可能性が意識され始めています。実施されれば、投機筋との“攻防”に市場の注目が集まる展開となるでしょう。日米の金融政策や投機筋の動向を踏まえ、マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏が今週のドル円相場の見通しを予想します。

為替介入再開の場合、投機円売りとの“攻防”に注目

それにしても、改めて米ドル高・円安が160円を超えてきたことで、円安阻止を目的とした為替介入との攻防が再び注目されるところとなりそうです。

 

日本の通貨当局は、ゴールデンウィーク中に米ドル高・円安が160円を超えた局面で米ドル売り・円買い介入を実施し、160円以上の円安を容認しない姿勢を示しました。したがって、再びその姿勢が試される展開になると考えられます。

 

また、今回の160円超えは、ここまでみてきたように日米金利差の拡大に沿った動きではありますが、投機筋による米ドル買い・円売りの関与も大きくなっている可能性が高いです。

 

代表的な投機筋であるヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、投機筋の円ポジションの売り越し(米ドル買い越し)が2日時点で12.9万枚となり、2024年7月以来の水準まで拡大しました(図表4参照)。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表4]CFTC統計の投機筋の円ポジション(2022年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

120日MA=157.6円が、投機筋vs.通貨当局の“攻防ライン”に

投機筋の円売り越しは、3月前半までは5万枚以下にとどまっていましたが、4月以降は10万枚前後へと拡大するなど、米ドル高・円安への関与が大きくなってきたことがうかがえます。

 

通貨当局は、円安阻止の理由として「ファンダメンタルズからかい離した投機主導の円安を容認しない」ことを挙げていることから、介入を再開する場合には、投機筋の円売りポジションを円買いへ転換させることを1つの目的として動く可能性が高そうです。

 

ヘッジファンドが保有する円売りポジションの損益分岐点の目安となる「120日MA(移動平均線)」は、足下で157.6円まで上昇しています(図表5参照)。

 

したがって、円安阻止のための介入が再開された場合は、米ドル/円が157.6円を下回る水準まで米ドル安・円高が進むかどうか、そして投機筋が損失拡大を避けるために円買い戻しへ転じるかが、大きな分岐点になるでしょう。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表5]米ドル/円と120日MA(2022年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

 

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